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特集【青汁】新型コロナ禍でも大健闘!

本紙調査によると、2020年上期の青汁製品(グリーンスムージー含む)は、新型コロナ禍にあっても、通販・店販共に前年同期比を上回る大健闘を見せた。なかでも通販ルートでは前年同期比2ケタ増を達成する企業も少なくなかった。背景には、新型コロナウイルス蔓延に伴う国民のセルフメディケーション意識の向上で、食生活を健康的なものに見直す動きが高まった。特に免疫を高めたいとするニーズから、乳酸菌配合の動きが好調だった。また、天候不順による生鮮野菜の価格高騰も青汁製品の販売を底上げした。8月5日には、伊藤園がドリンク青汁市場の構築に向けて販促を強化、8月17日より青汁製品で初のテレビCMを放映すると発表。下期の青汁製品市場にとってさらなる追い風が吹くと予想される。この2年間は縮小傾向にあった青汁製品だが、今年はV字回復なるか…下期の動向に要注目だ。

■ セルフメディケーション意識向上と野菜価格高騰が追い風

本紙では、7 月中旬~ 8 月上旬に掛けて、青汁製品の販売企業、受託企業、原料サプライヤーを対象に、取材およびアンケート調査を実施。2020年上期の青汁製品(グリーンスムージー含む)の市況をまとめた結果、通販・店販ルート共に、前年同期比を上回った。

なかでも通販ルートでは前年同期比2 ケタ増の企業も少なくなく、売上高の大きい大手企業でも前年同期比を大幅に超えたとの回答や、前年同期比と比較して同等の売れ行きと、総じて堅調に推移した。新型コロナの蔓延に伴う“巣ごもり”の増加を受け、通販の好調ぶりは様々なメディアで報じられているが、青汁製品も同様の結果となった。

一方、店販ルートは明暗が分かれた。スーパーやドラッグストアなどは、緊急事態宣言下でも営業を続けるところが多かったため、これらルートで青汁製品を販売する企業の多くは堅調だった。ただ、百貨店や商業施設、飲食店、エステサロンなどは営業自粛を余儀なくされたため、これらルートで青汁製品を販売する企業の多くは打撃を受けた。加えてドラッグストアでもインバウンド需要が多かった都市型店舗や、販売メーカーでは、外国人観光客の激減を受け苦戦を強いられた。

とはいえ、国内消費自体は活発で、店販全体でみると、前年同月比を僅かに上回った。このほか、宅配ルートや生協ルートで展開する企業も今年上期の青汁製品の売行きは好調だったといい、今年上期は総じて青汁製品は順調に推移したことがうかがえる。

今年上期の青汁製品好調の背景には、新型コロナ蔓延による国民のセルフメディケーション意識の高まりが挙げられる。多くの国民は食生活を健康的なものに見直す傾向にあり、緑色野菜の需要も高まる中、青汁製品を購入する消費者が増加している。また、長雨による不作で生鮮野菜の価格が高騰していることも、青汁製品に追い風となった。

■ 乳酸菌配合製品が好調 桑葉、モリンガ加工伸長

健食業界では新型コロナ禍、免疫を高める素材を用いた製品への需要が高まっているが、青汁製品でも多くの企業が「乳酸菌配合製品が好調だった」と回答、免疫系ニーズを裏付ける結果となっている。

その他にも今回、原料サプライヤーおよび受託加工・製造メーカーへの調査結果を素材別に見ると、大麦若葉は前年同期比で微減だった一方、桑葉とモリンガが伸長。特に血糖値抑制作用に対する一般認知度も高い桑葉は、副原料から主原料に代わる動きも見られるという。また明日葉やクマ笹も青汁用途での加工が伸びた。

今回の調査からは、2019年市場と同様、大麦若葉の副原料として他の素材が伸びていることがうかがえた。さらに、消費者が青汁製品に対して、野菜の代替品としてだけでなく、健康機能を期待していることも垣間見られた。

■ 踊り場市場からの脱却へ、今年下期はテレビCM戦略に期待

青汁製品は現在、通販、店販、宅配、飲食店など様々なルートで販売されており、2019年の市場は1,050億円と一大市場を形成している。一方で、1,000億円市場到達を機に、ここ数年は踊り場を迎えた感もあったが、今年上期は新型コロナ禍で大健闘を見せた。味の改良や機能性、アプリケーションの拡大を背景に、今後の課題である中高年層以外の新規ユーザーの獲得に向けて、今年下期はテレビCM戦略に注目される。

いち早くテレビCMを放映している山本漢方製薬では、「国内消費の拡大に繋がっている」とし、下期も引き続きテレビCMを放映していく方針。さらに伊藤園も8 月5 日のオンライン記者説明会で、ドリンク青汁のテレビCMを放映すると発表。8 月17日からの第1 弾、10月12日のブランド一斉リニューアルを受け、秋口にも第2 弾のテレビCMを放映するという。同社では…

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