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拡大する国内CBD市場に冷や水 日本化粧品協会の分析データに疑問の声(連載/話題追跡)

昨年から業界の大きな関心を集める麻由来成分CBD。サプリメントや化粧品への活用が広がり、CBD専門のオーガニックレストランやコーヒーショップ、D2Cブランドが数多く登場している。B2BでCBDを取扱うメーカーも増加し、11月の食品開発展2020には、11社が出展した。オーソドックスなオイル形状に加えてソフト・ハードカプセル、バー、シャンプー、トリートメントなど多彩なアイテムが紹介された。一方、国内で流通する一部のCBD製品から違法成分が検出されたことを受け、厚労省は今年5月、CBD製品の輸入時に書類提出を求めている。こうした中、独自にCBD製品を買い上げ、分析結果を公開する団体も登場したが、その分析プロセスの不透明さを疑問視する声も少なくない。

世界的な麻ビジネス解禁の動きから、欧米を中心に市場を拡大するCBD(カンナビジオール)。その余波を受けて、昨春から国内でもちらほらとCBD製品が増え始め、MLM、オーガニック専門店などで流通するようになった。

一方で、麻には感情を高揚させる違法成分THCが含まれるため、輸入時にはその除去がマスト。その取扱いには細心の注意が求められ、リスクヘッジの観点から大手では採用に至っていない。

実際に国内メーカー2社のCBD製品から微量のTHCが検出される事例も発生。厚生労働省麻薬取締部は今年5月、CBD製品の輸入時に「成分分析表」「原材料、製造工程の写真」を提出することを義務化した。

行政による監視の目が強まった一方で、明確な基準が示されたことは事業者の安心感につながり、オープンマーケットでもCBDを取扱う動きが加速。主要生産国の米国でCBD製造量が増えたことを背景に、国内での原料価格は「キロ当たり数十万円代」まで落ち着きCBD入りコーヒーを提供するカフェやCBD専門のオーガニックレストランが急増している。

CBDは、海外セレブが愛用しているというストーリー性と、まだ国内大手メーカー品が流通していないというプレミア感が合わさり、SNSを通して商品の価値を演出していくD2Cと相性が良い。『MUKOOMI』(イーストヘンプ)や『TOUR SLEEP』(COL)、『Mellow』(Linkship)などD2Cブランドも数多く登場している。

こうした中、2012年設立の日本化粧品協会(東京都港区)内に設けられたカンナビノイド審査委員会は、独自に国内のCBD製品を買い取り、分析結果をHP上に公開。特定のブランドを名指しで、「CBDが含まれていない」「THCが検出された」などと掲載し、波紋を呼んだ。

これに対してCBDメーカーからは、「当社の商品データを否定する以上、分析に使用した検査機器名を公開するべきだ」「完全なステマ団体、全く相手にしていない」「根拠を示さず、一方的に商品を掲載しているので、コンタクトを取ろうとしても電話などつながらず第三者機関と言えるのか」といった声が聞かれた。

本紙は同協会に対して分析プロセスの公開を求めたが、「米国で適法な資格を持つBelCosta社にて然るべき検査機器を使用している」との回答のみ。分析に使用した機器名については、オープンにされていない。

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