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【馬の油】市場のV字回復に期待

奈良時代に日本に伝わり、古くから“全身に使える万能オイル”と呼ばれ、皮膚への抜群の浸透性が特長の馬油製品。一度は沈んだ市場だったが、メーカー・販社の懸命の努力が結実し、ご当地コスメから自然派コスメへと進化。コロナ禍に、マスクやアルコール消毒剤の常用に伴う肌荒れ、手荒れケアとして、馬油製品の良さを実感したユーザーも少なくない。最近では、ベビーケアやペットケア、フェムケア市場でも台頭。今年2月には久々にTVのバラエティ番組でも取り上げられた。訪日外国人観光客数が急増する中、円安下でのインバウンド需要が、馬油製品市場にとってV 字回復への追い風になることも期待される。

メーカー・販社の努力結実、自然派コスメとして定着

馬食文化のある福岡県や熊本県の伝統的なご当地コスメとして、土産物の代表格の1つだった馬油製品。奈良時代に日本に伝来して以降、火傷や切り傷、アカギレなど皮膚治療の民間薬として用いられてきた長い歴史を持つ。馬の脂は、不飽和脂肪酸の含有量が59~65%と高く、n – 3系脂肪酸とn-6系脂肪酸をバランス良く含み、ヒトの皮下脂質に近いことから皮膚への浸透性が抜群に高い点を特長とする。2016年頃まで続いた訪日外国人観光客による爆買いの後、馬油製品の市場は一度大きく沈んだ。厳しい市場環境下、メーカーおよび販売各社では、馬油100%の純馬油をはじめ、クリーム、化粧石鹸、クレンジング、シャンプーなどの定番
製品に加え、話題のタマヌオイルやバオバブ油、シアバターなどの植物油を組み合わせた製品、天然精油で香り付けをした製品――など、市場ニーズに合わせた製品開発をはじめ、パッケージデザインや価格帯の見直し等、購買層を意識した取り組みを推進。同時に、新規ユーザーにもわかりやすいように、ヘア・スカルプケア、踵や膝の保湿など、馬油製品の使い方を丁寧に解説するWEBページやYouTube動画を製作。またSNSを通じた情報発信など、ハード・ソフト両面での馬油製品のブランディングに注力してきた。

続きは、本紙4月17日発行号(1786号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから

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