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動脈硬化学会、抗酸化物質の発症リスク低減・進行抑制に期待感

レスベラトロール、アスタキサンチン、緑茶、DHA/EPA
 第45回日本動脈硬化学会総会・学術総会が先月18・19日の2 日間、都内で開催された。
 大阪大学内分泌・代謝内科学・西澤均氏は、低リスク例の動脈硬化をテーマにしたパネルディスカッションで、若者の食行動の問題点を指摘し、若い世代からの動脈硬化性疾患予防の重要性を強調、保健活動と医療の連携や食育を推進すべきと提言した。


 さらに「食品機能と動脈硬化」のワークショップも開催。
 お茶の水女子大学・岸本良美氏は「血管炎症をターゲットに抗酸化食品成分の可能性を探る」と題し、レスべラトロールなどのポリフェノールを取り上げ、血管内皮細胞の炎症を抑制することで動脈硬化の予防が期待できるとした。
 金沢大学・太田嗣人准教授はアスタキサンチンの抗酸化能の高さに着目。
 脂肪肝炎モデル動物を用いたアスタキサンチンの摂取試験を実施したところ、モデル動物において、アスタキサンチンが肝脂肪の沈着を抑制することが確認できたとした。
 さらに、抗炎症作用や耐糖能の改善作用、インスリン抵抗性の改善も認められ、多様な機能性を発揮すると報告した。
 栄養学をテーマにした示説発表は3 セッションが組まれ、動脈硬化症の発症予防および進行抑制に食品機能が及ぼす影響について議論が交わされた。
 報告された機能性成分はDHA/EPA、茶葉抽出物、松樹皮抽出物、植物性タンパク質、コーヒーポリフェノール、シソ抽出物、菌糸類抽出物など。
 基礎研究から、動物試験、ヒト臨床試験、コホートデータ解析までのさまざまなアプローチで有用性評価が報告された。

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