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日本企業、加速するアジア進出

 UBMグループの食品素材の展示会FiAがタイとインドネシアで交互に開催されているが、近年この展示会に日本企業の参加が増えていること、また、食品素材展というものの、機能性素材の出展が増えていることから、9月10日からバンコクで開かれた「Fi Asia」を訪問した。
 今回同展には日本企業20社ほどが出展、本格的なアジア開拓が進んでいることを実感させられた。多くの企業が経済発展の著しい東南アジアで、「食品産業は地味ながらも成長分野で期待できる。まだ知名度は低いが、優れた商材には期待も大きく、市場性はむしろアジアにある」「健康素材も日本市場では競争が激しく利益が取れない。アジアの方がダイナミズムがあり期待ができる」などで各社の手応えは大きい。
 一方、欧米企業に混じり、シンガポール、インドネシアなどの企業が、天然素材由来の着色剤(サプリ向け)や植物系の機能性素材をPRする動きもあり、注目を集めていた。


 日本にいると日本国内での展示会をイメージするが、FiAも欧州ブランドの展示会で、国際的な出展企業と、アジア全域からバイヤーが集まることが魅力になっている。実際、タイで開かれているのに「タイよりも、インドネシアやシンガポール、中東などのバイヤーが多い」との声も聞かれ、商談も実務的で、効率もいいという。
 我々も幾つかのブースを訪問すると、帰りには、来月の「食品開発展」への申し込みが入るという具合だ。Fiは、欧州の他、アジア各国、南米などで開かれており、各展示会主催者からも、魅力的な商材の多い日本企業への期待は大きい。
 一方、現地でも日本企業の現地進出の取材を終えたが、スーパーマーケットで不意に声をかけられたのは、日本企業の関係者で、戻ると本紙にタイ素材の記事が紹介されていたり、中堅の通販企業の社長に取材しているおり、数社でタイのテレビショッピングなどの取り組みを視察した話を紹介されるなど、にわかにタイの情報が溢れ出してきた。実際、タイはハーブのメッカで、健康素材も多く、タイとの関係も魅力的であるのだが、アジア全域が成長著しい中で、2015年のASEAN統合などの取り組みもあり、ここ10年はこの地域の動向から目が離せない。

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