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【トップインタビュー】”タケダらしい商品開発”で、売上1000億円を目指す

ユーグレナ、年間売上50億円の主力商品に

今年4月、武田薬品工業の100%子会社として新たなスタートを切った「武田コンシューマーヘルスケア㈱」(東京都千代田区、103-6212-8501)。国内医薬品最大手の武田薬品工業が、分社化に踏み切った背景にあるものとは?『アリナミン』『ベンザ』をはじめとした一般用医薬品、ユーグレナに国産野菜3種を配合したサプリメント『緑の習慣』などを展開、「健康寿命の延伸に貢献できる商品開発を進め、1,000億円の売上を目指す」とする同社・杉本雅史社長に話を聞いた。


―― 製薬トップ企業の動きに注目が集まるが、新会社発足の背景は?

基本になるのは健康寿命の延伸という国策への貢献である。少子高齢化が進み、消費者のニーズは多様化している中で、新会社はセルフメディケーションの分野で、OTCはもとより、予防分野のサプリメントなども担っていく。

私たちの前身である武田薬品のジャパンコンシューマーヘルスケアビジネスユニットの売上は2009年度以降、年平均5.5%増を実現している。こうした成果を踏まえ、現在約800億円の売上を、先ずは1,000億円の大台に乗せていきたい。

―― 国内OTC市場は必ずしも、成長トレンドにはないような気もするが

2000年以降、OTC市場全体は縮小傾向にあり、サプリメントに市場を奪われているとの指摘もある。こうした中で、我が社はOTCにも手応えを感じており、成長を持続し て き た 。政府の方針もあり、今後はスイッチOTC化が急速に進むと予想しており、そうでないとセルフメディケーションが進むことは考えにくい。

例えば花粉症のカテゴリーなどはスイッチOTC化の需要は大きい。また、検査薬市場が拡充すれば、消費者は早期かつ簡便に自己チェックできるようになり、早期受診などのアクションをとり易くなる。消費者のニーズを理解し、多様な選択肢を提供することでOTC市場は拡大すると確信している。

―― ユーグレナに着目した理由は?

消費者ニーズの探索は常時行なっており、目に留まったのがユーグレナである。59種の栄養素の複合的な作用を特徴とし、パラミロンは探究していくと医薬品開発の可能性も秘めている。商品は『タケダのユーグレナ 緑の習慣』。2014年10月の発売以来、毎年倍増の販売実績で、リピート率も高い。現時点は100万人規模の顧客名簿の獲得に向け先行投資の段階であるが、数年のうちに年間売上40~50億円の主力商品の一つに育て上げたい。(現在、同社の製品別売上高5 位はボラギノール類で50億円)

なお、『タケダのユーグレナ 緑の習慣』で機能性表示を取得する計画はない。59種の栄養素の複合的な作用を特長とし、戦略的にサプリメントとして展開していく。

―― 他のサプリメントの取り扱いなどの計画は

健康食品の取り扱い条件としては、消費者のニーズ、科学的根拠、高品質で安心できる商品、の 3 点を挙げている。『緑の習慣 DHA・EPA』を新発売しており、通販だけでなく、昨年11月からはDgSでの展開もスタートしており、相乗的な効果を狙っている。

―― トクホ、機能性食品等への挑戦は

スコープを広げることも大切だが、健康寿命の延伸に向けて医薬品メーカーとして、タケダらしさを損なうことなく、消費者ニーズに見合う商品開発を進めていくことがより重要である。「科学的根拠」と「品質の担保」、この条件を満たしていれば医薬品でも健康食品、トクホ、機能性表示食品でもこだわらない。

従来以上に機動的かつ柔軟なビジネスモデルを構築し、コンシューマーヘルスケア市場における日本・アジアのリーディングカンパニーを目指していく。

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