食品素材の記事

短鎖脂肪酸を多く生み出すビフィズス菌とイヌリンによる認知機能の改善効果を確認

江崎グリコは、短鎖脂肪酸を多く生み出す独自のビフィズス菌Bifidobacterium animalis subsp. lactis GCL2505(以下GCL2505株)と水溶性食物繊維イヌリンによる認知機能の改善効果を確認した。本成果は9月27日に国際科学雑誌「Nutrients」に掲載された。

物忘れの自覚がある、または他人から物忘れを指摘されたことのある健常成人男女80名を対象に、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を行った。その結果、100億個/日のGCL2505株と2gのイヌリンを12週間摂取した群(GCL2505群)は、プラセボ群と比較して、コグニトラックス検査における総合注意力、認知柔軟性、実行機能領域に加え、総合的な認知機能の評価に用いられる神経認知インデックス領域のスコアが有意に改善した。またGCL2505群の糞便中のビフィズス菌数は、プラセボ群と比較して有意に高い値を示した。

認知症を予防する有効な方法が確立されていない中、今回の結果によってGCL2505株とイヌリンの継続的な摂取が認知機能の改善につながる有効なアプローチである可能性が示唆された。なお、GCL2505株は、これまでの研究により内臓脂肪の低減効果が明らかにされているほか、ヒトの腸内にいる一般的なビフィズス菌と比べて短鎖脂肪酸を多く産生することも明らかになっている。

■論文タイトル・著者名
Effect of Continuous Ingestion of Bifidobacteria and Dietary Fiber on Improvement in Cognitive Function: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.
Naoki Azuma, Takashi Mawatari, Yasuo Saito, Masashi Tsukamoto, Masatoshi Sampei and Yoshitaka Iwama.
Nutrients 2023, 15(19), 4175; https://doi.org/10.3390/nu15194175

関連記事

  1. 池田糖化工業、植物由来原料を使用したチョコレート風味粉末を販売開…
  2. ルテインと脳機能の関連―DSM、ルテインセミナー開催
  3. 味の素 イスラエル発! 新素材戦略、新ベジタブルドリンク新製品発…
  4. オリザ油化、ドライマウスの症状や口臭を改善する「花椒オイル」の提…
  5. 抗疲労で注目のロディオラ ロゼア
  6. 食品と開発 ニュース 酪酸菌増殖能に優れるケストースを上市
  7. 「生コーヒー豆エキス」が機能性表示食品で血糖値とBMI改善のダブ…
  8. オリザ油化、シーベリーエキスとノコギリヤシエキスとの相乗効果を発…

お問い合わせ

毎月1日発行
  年間購読料 33,000円(税込)
      1冊 3,300円(税込)

食品開発展2024 出展者募集中

PAGE TOP