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国際基準のドーピング対策、必要性増す(特集/アンチドーピング)

アスリートが摂取するサプリメントに、ドーピング成分が混入することは決して許されない。近年はドーピング検査の精度が向上したこともあり、選手はこれまで以上にサプリメントの原材料、製造工程に注意を払うようになった。ただ現実には、海外製サプリや市販薬、漢方薬の一部には、原材料や製造時のコンタミネーションでドーピング成分が混入するケースも。選手本人には自覚がない「うっかりドーピング」が頻繁に発生しており、サプリの摂取に警戒感を示す選手も少なくない。その一方で、品質や安全性が担保されていれば、疲労回復や快眠、免疫賦活などを目的にサプリを利用したいという声も。こうした中、サプリメーカーは第三者分析機関を利用してアンチドーピング(AD)への対応を進めている。またAD認証を一般のスポーツ愛好家や海外企業への販促ツールの1つとして評価するメーカーも見受けられる。

WADA規制強化も ドーピング違反は増加傾向

アスリートにとってドーピング違反は致命的な問題だ。大会への出場はもちろん、トレーニング面でも制約を課され、競技スキル自体が著しく低下してしまう。

さらに社会的な地位の低下やスポンサー収入の減少など、競技を継続することが困難な状況に追い込まれる。

世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、2017年にドーピング違反に関する内部告発用のプラットフォームを設置。国家ぐるみでドーピングに加担したロシアには、2019年より4年間の主要国際大会への出場停止を通告、ドーピング違反に対する取り締まりを強化している。

ただ世界のドーピング違反数は、減少していない。WADAが昨年末に発表した報告書によると、2018年のドーピング違反件数は1,923件( 前年比6.5 % 増)。国別では144件のロシアが最多で、イタリア、フランス、インド、ウクライナ、米国などが続く。

直近5年間の違反数を見ても、大きな変動は見られず、WADAの制裁強化の成果は上がっていない。80~90年代の米国や欧州のスポーツ業界では、ステロイドや禁止薬物の使用が横行していた背景もあり、ドーピング文化の根は深いようだ。

日本でもうっかり ドーピングのリスク増加

一方で、日本のドーピング違反数は8件。海外に比べると、違反数は少なく、日本人選手の誠実さ、実直さが垣間見える。

日本での違反理由で最も多いのは俗にいう「うっかりドーピング」。本人が摂取したサプリメントや飲料に意図せずドーピング成分が混入するケースだ。直近では…

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