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特集【血流改善素材】体温維持から記憶力維持、血圧降下まで

血流流改善素材の採用カテゴリーが広がっている。動脈硬化予防・美容・冷え性対応から運動機能向上、疲労回復・アイケア・育毛・男性機能向上・褥瘡対策まで、血流改善作用を介した多機能性が評価されている。サプリメントの商品設計においては、「血流改善素材は代謝を向上し、有効成分の体感性を高めることが可能」「有効成分の少量化に繋がる」(受託メーカー)との声も。ヘスペリジン、イチョウ葉、クロロゲン酸など、「血流を保つ」「体温維持」「脳の血流改善(記憶力維持)に関する機能性表示食品は80品を超えており、大手が続々参入。昨年末には、納豆菌由来ナットウキナーゼ初となる機能性表示食品も受理されている。

幅広い訴求に強み

 動脈硬化予防・美容・冷え性対応から疲労回復・アイケア・育毛・男性機能向上まで、血流改善作用を介した機能性は幅広い。トレンドとしては、褥瘡(床ずれ)、眼血流、関節血流など、より訴求点を絞った血流改善素材の研究・開発が進んでおり、「高齢者(介護)向け」「アイケア」「ジョイントサポート」など、ビッグマーケットへのアプローチが急ピッチで進む。血流改善分野の機能性表示は難しいとされてきたが、2015年11月、他社に先駆けて、伊藤園が『お~いお茶巡りさらら』で受理。トクホにないヘルスクレームとして注目され、その後、原料サプライヤー各社がSRを加速。2020年4 月時点で受理数は87品に。江崎グリコ、森永乳業、花王、ファンケル、養命酒、ブルボンなど、大手各社が続々受理されている。新たに、ヘアケアブランドやフィットネスが届出を行ったという情報も。機能表示は「血流を保つ」「体温維持」「脳の血流改善(記憶力維持)」に関するものが大半を占める。昨年末には、納豆菌由来ナットウキナーゼ初となる機能性表示食品が受理(日本生物.科学研究所)され、話題を呼んだ。表示内容は「血流を改善することで血圧が高めの方の血圧を下げる機能が報告されている」というもの。さまざな機能性表示が受理されており、血流改善を介した機能性の幅の広さを証明している。

300憶円市場を形成

 ショウガを筆頭に、カシス、ニンニク、タマネギ、納豆、ライチなど、一般食材由来素材・成分の血流改善訴求が目立つ。“血液サラサラ”のイメージに頼らず、バックデータを積み上げたことが奏功し、「血流改善」「血行促進」を訴求するサプリメントの市場規模は300億円を突破している。高麗人参は、サプライヤー各社が血流改善作用を介した美容・冷え対策機能や睡眠の質向上に関するエビデンスを蓄積しており、新たな市場創出に期待がかかる。昨年末に永谷園が投入した「くらしの和漢高麗人参茶ルイボスブレンド」が代表するように、女性層をターゲットとした商品開発が活発だ。カシスは、特有のアントシアニンに着目した研究が進められている(31面トピック参照)。神戸大学・新潟薬科大学を中心とした研究チームが、末梢血流改善作用に関する臨床試験を実施。また、日本カシス協会は昨夏、神戸学院大学大学院・水谷健一教授の「カシスアントシアニンが血管老化に果たす予防的効果の解析」を採択するなど、エビデンスの蓄積が進んでいる。

本記事の続きは「健康産業新聞1691号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら

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