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「疲労感軽減」「腹部不快感」「呈味改善」等、幅広い訴求力 高まるスポーツ需要に対応(特集/アミノ酸・ペプチド)

スポーツ時における栄養補給や疲労回復などで活用されているアミノ酸。機能性研究も進み、今年は運動後の腹部不快感軽減で新たな知見が生まれた。スポーツ訴求以外では、高齢者のサルコペニア対策や日常の疲労感軽減、呈味改善訴求も。サプライヤーサイドではエビデンスデータ構築や、他素材との組み合わせ提案などで差別化を図り、新たな需要掘り起こしを進めている。食薬区分改正となったβ-アラニンは、栄養ドリンク・リポビタンDに配合され、トレーナーや栄養士、高校・大学の部活動監督やコーチの支持が広がっている。5-ALAは今年、疲労感軽減の機能性表示食品が登場した。

ロコモ対策から睡眠ケア、血糖値対策など 多様な訴求で広がるマーケット

多様な機能性を持つ各種アミノ酸・ペプチドは、味の素の高齢者向け機能性表示食品「アミノエール」をはじめ、ロコモ・サルコペニア対策商材等に多く採用されている。原料サプライヤーは機能性に関するエビデンスを蓄積するなど、差別化提案を活発化させている。

アミノ酸の機能性表示食品はGABAの届出受理が最も多く、販売中の商品は315品目(7月26日現在)となった。昨年は筋肉量の維持をヘルスクレームとする届出受理も。サントリー食品インターナショナルの『プロフェッショナルボス』は、「日常の身体活動により筋肉量を維持する機能がある」旨を表示した。

機能性表示食品はこのほか、ロイシン40%配合必須アミノ酸、グロビン由来バリン、BCAA、グリシン、クレアチン、ヒスチジン、L-セリン、アラニン・アルギニン・フェニルアラニン混合物、バリルチロシン、トリペプチドMKP(メチオニン-リジン-プロリン)、5-ALAなどを機能性関与成分とする商品が届出受理されており、歩行機能や睡眠、血糖値、疲労感軽減などを訴求する商品が販売されている。

コロナ太り対策で需要増 スポーツ向け提案活発

本紙が毎年実施している健康食品受託加工・製造調査(22年上半期)では、アミノ酸が人気受注素材の5位にランクイン。コロナ太り対策などの需要が後押しした。

今年の引き合い状況について、本紙が主要サプライヤーに聞き取り調査を行ったところ、「EAAとBCAAが好調に推移した」「バリン、ロイシン、イソロイシン、シトルリン、オルニチン塩酸塩などの運動訴求素材が好調」「スポーツジムや大手ブランドオーナーを中心に、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンの引き合いが高まった」「エナジードリンク用途で新規採用があった」「ゼリー飲料の引き合いが良かった」などの声が。

スポーツニュートリションの浸透とともに、運動中の栄養補給や運動後の疲労回復の需要が高まっている。アミノ酸市場は価格競争も激化しており、アルギニンやシトルリンはコストメリットを打ち出した提案も目立つ。

この1年はアミノ酸原料の値上げも話題に。中国の電力不足問題や海上輸送費の上昇などが値上げの要因となっており…

続きは本紙8月3日発行号(1745号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから

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