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「白色着色料」「低アレルゲン育種」など 食用昆虫、利用シーン拡大(連載/話題追跡)

食用昆虫の利用がじわじわと拡大している。国内市場では、大手コンビニがコオロギ粉末を使用したプロテインバーとクッキーの販売を開始したほか、国際線機内食での提供も始まった。利用の裾野は化粧品やペットフードにも。今年は大手ペットフードメーカーがコオロギ粉末入りおやつを開発し新規参入を果たした。一方で食品以外での新たな用途開発も進む。海外市場では白いカブトムシでつくる白色着色料が話題に。二酸化チタンの代替品として注目を集めている。また、研究面では、脂肪蓄積抑制効果についての知見が報告されるなど有用性が明らかにされつつある。ゲノム編集による育種では、低アレルゲン系統の実用化に向けた研究開発も進んでいる。

食用昆虫市場はいま、サステナブルフードを意識した加工食品の開発が活発だ。国内市場では大手企業による食用昆虫の利用が進む。

今年、ファミリーマートやセイコーマートがコオロギ粉末使用のプロテインバーとクッキーの販売を開始した。航空会社のZIPAIR TOKYOでは、コオロギ粉末使用のハンバーガーとパスタを国際線機内食で提供、販売チャネルも多様化している。

サプリ市場では、中日本カプセルが“昆虫カプセル”の提案を開始した。低脂質で上質なタンパク質を持つフタホシコオロギ(パウダー・オイル)をカプセルの中に配合。「滋養強壮系原料のアルギニンやコブラ、へび、豚の心臓など、複合素材のひとつとして配合できれば」と期待する。

先月開催された「食品開発展2022」では、コオロギ粉末のサンプルを求める来場者が目立った。「注目度の高さを感じた。次の商談も順調に進んでいる」「次のステップのためにも、大手食品メーカーの市場入が待たれる」といった出展社の声もあった。

記念セミナーでは山口大学大学院教授の井内良仁氏が「昆虫食の健康機能性」をテーマに講演。高タンパク質・低脂質のほか、メタボ改善効果を示す結果を得たという。

昨今では昆虫のフンを利用した研究が進んでいることも紹介、「メタボマウスにトノサマバッタフン茶を飲ませたところ、脂肪蓄積抑制効果およびコレストロール・中性脂肪低下を確認した」という。

ゲノム編集を使った用途開発では、低アレルゲン化や成長の早いコオロギ育種も。この研究に取り組むグリラスでは、「来年度の発表を目指したい」としている。

商品開発は今年、ペットフードや化粧品にも波及しており…

続きは、本紙11月16日発行号(1752号)に掲載。定期購読のお申し込みはこちらから

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