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機能表示は食品産業界のオリンピックムーブメントに

 機能表示への期待は、今日9日から始まる「食品開発展」の各種表示セミナーの盛況ぶりでも明らかだ。機能表示に関連する講座の大半が満員御礼で、キャンセル待ちが相次ぐ。月刊誌「食品と開発」でも、詳細な連載を開始し、読者の期待に答えていく計画だ。
 機能表示導入の経済効果は、日本経済とオリンピックの関係に似ている。銀行関係者の話では、消費税増税の懸念も残るが、2020年のオリンピック開催が決定したことで、これに向けて、公共事業の拡大や各施設の建設などで作業員の東京集結が始まり、雇用や消費などの拡充が進み、経済成長の下支えは十分だと。少子高齢化で勢いのなくなってきた日本経済への中期のカンフル剤となりそうである。
 一方、機能表示も、食品産業界には同様の経済効果をもたらすとの期待が高まっている。人口減少と少子高齢化で消費意欲の低迷から、食品産業界には暗い材料が相次ぐ。しかし、機能表示は、元気な高齢者への消費拡大のカンフル剤となりそうで、2015年の導入に向けて、産業界の構造を塗り替える息の長い一大エポックと期待されている。
 すでに本紙でも紹介しているが、膝痛、腰痛の人口は4,500万人、また人間ドック学会でも肝機能異常や高コレステロールは受診者の3割を超すなど、予防対策が急務となっている。高齢者人口が増加する中、こうした状況の悪化、進行が懸念されているが、政府の進める健康寿命の延伸にとって、機能表示は消費者の判断材料として1つの効果的なツールになる。また、こうした取り組みはサプリメントにとどまることなく、一般食品、乳製品、飲料、菓子などに広がることも必至で、食品産業における経済効果は、栄養や美味しさから機能へ転換するものの、オリンピックムーブメントを想起させるインパクトになると関心は高い。
 既に、トクホ制度の整備も並行して進んでおり(本紙1面)、サプリメントの機能表示が具体的になれば、トクホ制度を補強することになり、機能表示制度の拡大強化も期待できる。未知数の部分も多いが、産業界は機能表示導入へ大きな期待を寄せて、導入の流れを見守っている。

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