健康産業オンライン

統合医療を消費者の手に

 かつて、景表法のセミナーで、医薬品の効能表示と景表法の適用について、消費者庁の担当者に質問したことがある。風邪薬は風邪の症状を抑えるもので、風邪を治さないというのは知られているが、多くの消費者は風邪が治ると誤認している。行政は、法律を金科玉条のごとく捉えているが、本当にそうなのかとの思いもあった。
 薬事法の68条では医薬品の広告・宣伝について定めているが、もっぱら健康食品の規制条項として利用され、健康食品を偽ぐすりと位置づけ、その上で、表示規制をしている。本質的には風邪薬も薬事法の68条の対象になるのかもしれないのだが。
 統合医療の問題が遅々として進まず、混合診療のあり方に、規制改革会議がものを言っているが、この分野も同会議が着目するほど強固な規制の中にある。本質的には、医療が医者(あるいは日本医師会)のものであるかぎり、この分野の改革は進まない。久しぶりに、東京女子医科大学の川嶋朗さんの話を聞いた。風邪の話で始まったが、そもそも風邪は体験談としここでも触れたが、お話の内容に全く同感であった。


 風邪の対処法とし、熱は下げるのがいいか、風呂に入るのはダメか、抗生物質は有効かなど、常識問題が10問位出されたが、なるほどということで、サプリ以上に誤った常識が醸成されていることに気がついた。熱は当然だが、体力があれば下げない方がいい。風呂は問題なし、抗生物質は効かないなど。肺炎の恐れがあると、抗生物質を出すが、診断ミスを避けるためだとも。なるほど、製薬メーカーが統合医療に反対する理由は明確だ。
 クオリティ・オブ・デスという終活の話であったが、医療そのものが、生かすことに大義があった時代の仕組みが今も生き続けている。胃瘻、スパゲティ症候群の議論などあるが、川嶋さんの話は予防と健康寿命の延伸に話は収れんする。それは多くの国民の希望であり、医療を国民に戻す話でもある。規制改革会議で健康寿命の延伸とセルフメディケーションの課題が示され、医療が国民から離れている現実を埋める手立てとして、統合医療に再び注目が集まっていることの意味は大きい。

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