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【特集】健康食品GMP 取得企業年々増加、機能性表示でも存在感

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 日本健康・栄養食品協会(日健栄協)と日本健康食品規格協会(JIHFS)の2団体が運用する健康食品GMPの取得企業は145社159工場(2016年2月23日現在)で、年々増加している。機能性表示制度においては、受理された製品のうち、サプリメント形状の加工食品は、医薬品GMPや米国GMPを含めるとほぼ全てGMP取得工場で製造されている。制度を機に、一般食品や生鮮品などの健康食品市場参入が相次ぐ中、健康食品GMPは、取得によって届出資料の省略が可能であるなど、第三者機関が製品の品質、安全性を保つための規則を評価する制度として存在感が増している。


GMP取得、増加傾向に
 健康食品GMP取得企業が増加している。GMP(Good Manufacturing Practice:「適正製造規範」)は、原料の入庫から製造、出荷にいたる全工程で、製品の品質と安全性を保つよう定められた規則。医薬品の場合、製薬メーカーに義務化され、製品ごとの許認可が要件となっている。
 一方、健康食品では、サプリメントとして錠剤やカプセルなど医薬品に共通する形状が流通していることから、厚労省は2005年 2 月 1 日付けで「錠剤、カプセル状等食品の適正な製造にかかる基本的考え方(ガイドライン)」を発表。原料の受け入れから最終製品の出荷に至るまでの全工程において、製品の品質と安全性の確保を、業界自らの努力で取り組むよう指導。これを受け、(公財)日本健康・栄養食品協会(日健栄協)と(一社)日本健康食品規格協会(JIHFS)は、2005年より厚労省のガイドラインに沿って認定を実施。取得企業は、日健栄協107社118工場、JIHFS38社41工場の、計145社159工場( 2 月23日現在)と年々増加している(図参照)。
機能性表示、サプリ形状の定番に
 機能性表示制度では、健康食品GMP取得工場で製造された製品の受理が定番化。日健栄協によると、2 月16日現在の217製品受理(2 件取り下げ)のうち、その他の加工食品100件、生鮮3件を除く、サプリメント形状の加工食品112件は、ほぼ全てGMP取得工場で製造されている(一部医薬品GMP、米GMPを含む)。届出にあた・・・
グローバル展開で効果を発揮
 健康食品・サプリメントGMPは、米国をはじめ、中国や韓国など近隣諸国、ニュージーランド・オーストラリアなどではすでに制度化されている。サプリメントのGMP制度として世界的に認められている米国cGMPは、FDAがGMPに関して800ページ以上に及ぶガイドラインを作成。米国内で健康食品産業に携わる限り、・・・
(続きは、3月2日発行/第1591号で。) 




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・トピックス
1. GMP取得の工程
2. GMP、HACCP対応の工場設計・施工に強み ライオンエンジニアリング
3. 健康食品GMP、受託製造企業の導入状況
4. 厳しい製造品質チェック体制 ソフトとハードの両面で補完
5. GMP取得に必要な書類関係
・企業紹介
・主なGMP認定取得工場一覧表
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公益財団法人日本健康・栄養食品協会
 (公財)日本健康・栄養食品協会(東京都新宿区)では、健康補助食品GMPとして工場と製品の認定を行う。2 月17日現在、GMP取得工場118工場(107社)、GMP製品マークは136製品(49社)が取得している。
 昨年 6 月、2015年版としてガイドラインを改訂。2014年度より義務化しているGMP関連セミナーなどの支援事業に力を入れている。GMP関連セミナーの受講は、GMP外部教育訓練の一環として年 5 ~ 6 回実施するGMP教育セミナーか、企業や協会など業界の最新情報を発信する年 1 回の普及セミナーのいずれかを年に 2 名以上受講することが更新要件となっている。「教育セミナーは、GMP外部教育訓練の一環。全 6 回を終え、総勢330人が参加した」という。
 また、更新時のレベル低下や、形骸化の現状打破のため、中間実地調査も導入。更新年時以外の毎年実施することで、cGMPにも遜色ないグローバルな制度を目指す。
 「取得が目的ではなく継続が大事。今後も、レベル低下や形骸化を招かないよう、役立つ内容にしていく」という。


一般社団法人日本健康食品規格協会
 (一社)日本健康食品規格協会(JIHFS:The Japanese Institute for Health FoodStandards、東京都文京区)は、厚生労働省のGMPガイドラインに則り、2005年より健康食品GMP、原材料GMP、輸入健康食品GMP(GMPI)のGMP認証を実施。10年の節目となった昨年 4 月には、新たに輸入原材料GMP(GMPIM)の認証にも着手し、合計4種類のGMP認証を行う。
 健康食品GMPは、ソフト面(品質管理のための適切な管理組織の構築と作業管理の実施)とハード面(適切な製造設備の構築)の両面からチェック。
 原材料GMPは、化学合成や同・植物等の加工・抽出、発酵・培養、これらの組み合わせで製造される点を踏まえ、最終製品と同様、製造・品質管理のためのGMP規範を用意。監査及び審査を通じて認証を行う。
 輸入健康食品GMP(GMPI)は、輸入製品を対象とするGMP規範で、輸入管理や品質管理が適切に行われているかを監査し、その審査に基づき認証を行う。輸入原材料GMP(GMPIM)は、機能性表示食品制度の開始に伴い、原材料に対する品質確保の重要性がより一層高まることが予想されるとして昨年 4 月より着手。従来実施している原材料GMPに加え、国内外から供給される原材料に対してのGMP認証制度を整備した。
 認定の際には、市場の国際化の中でGMP認証取得を活用できるよう、日本語と英文の両方のGMP認証証明書を発行。また、毎週水曜日には、GMP相談会(予約制)も行っており、新工場設計やGMP導入、海外向けGMPなどさまざまな相談に応じる。
 理事長の池田秀子氏は、「安全性確保は原材料から。健康食品GMPの10年目を経て、次の10年を見据えた実質的なGMPをどのように志向していくかが最低条件として重要視されていく」と語る。
 今月17日(木)15時からは、健康食品販売会社の経営幹部を対象に「GMPマーケティングセミナー」を都内・アイオス永田町(東京都千代田区)で開催。販売会社と委託工場が連携してGMPに取り組むメリットについて、JIHFS GMP審査委員長の松浦誠之介氏や、㈱エフアイコーポレイション・代表取締役の塩谷知明氏、やずやグループ㈱未来館・代表取締役の西野博道氏らが講演する。

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