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【特集】抗疲労 新制度の目玉、スポーツ栄養分野掘り起しも活発に

 わが国では長時間勤務による精神・肉体両面の疲労が取りざたされ、昨今、過労自殺が社会問題化するなど企業の労務管理のあり方もクローズアップされた。日常生活で疲労を抱えている人は少なくなく、大半が寝ても休んでも疲れを取ることができない慢性疲労に悩まされている。今や慢性疲労は現代病の1つとされており、経済損失の一因となっている。こうした社会環境を背景に、抗疲労関連の食品・飲料が相次いで商品化。


 リラックスや眠りの質をサポートするものや日常の疲労感の軽減をテーマとした商品が増える傾向にある。同分野の機能性表示食品の受理数も25品目(2016年届出分まで)で、世界をリードしている日本の抗疲労研究の先進的な取り組みを裏付けている。さらにはスポーツ栄養における抗疲労研究も進展。需要が拡大する抗疲労サプリメント市場を追った。

生産性を奪う慢性疲労

 世界最大級の人材派遣業のランスタッド(本社・オランダ)は昨年、世界24ヵ国の男女約20万人に対して勤務時間に対する意識調査を実施。その結果、「現在の勤務労働時間」について満足と回答した日本人は42.0%。半数が現在の勤務時間に満足していないことがわかった。理由の多くは疲労に起因するもので、“長時間労働が生産性を奪う”結果につながることも示唆されている。
 疲労と慢性疲労には酸化と修復エネルギーとプチ炎症・炎症が大きく関与していることが確認されている。オーバーワークによる酸素の大量消費が活性酸素を大量発生させ、それにより細胞機能が低下し、疲労した状態に至るという仕組みだ。こうしたメカニズムに基づいて食品開発の分野では、抗酸化素材と修復エネルギー素材をバランスよく組み合わせることで、疲労回復や抗疲労をテーマとした商品設計を行うケースが多い。酸化を防止する機能性素材は、ビタミンC、ビタミンE、システイン、グルタチオン、イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン・バレニン)、ポリフェノール、β-カロテン、アスタキサンチンなどがあげられる。一方で修復エネルギーに必要な機能性素材・・・

急成長続けるイミダ市場

 抗疲労素材の代表格となったイミダゾールジペプチドの販売は引き続き拡大傾向にあり、原料ベースでは80t程度が国内流通していると推定される。主流は鶏肉から抽出したアンセリン・カルノシン含有素材。トップサプライヤーは日本ハムで、昨年は過去の伸びをしのぐ急成長を記録。日常の疲労感軽減目的だけでなくスポーツニュートリション分野への浸透を進める考えだ。また浜理薬品工業は『L-カルノシン』の原料およびOEM供給を強化。無味・無臭・無色のため幅広い製品開発に柔軟に・・・

再脚光集めるCoQ 10 、
ライチ由来品も好調

 抗疲労関連の健康食品は、イミダゾールジペプチド以外にもユニークな素材が少なくない。機能性表示食品制度では還元型CoQ 10 を関与成分とする商品が 8 品登録済み。また酸化型CoQ 10 では横浜油脂工業が初めて「抗肥満」のSRを完了しているが、4 月中にも抗疲労のレビューも終える予定だ。ほかにもアミノアップ化学が、ライチ由来のポリフェノールを独自製法により低分子化した『オリゴノール』を展開。すでに同成分を関与成分とするサプリメントが機能性表示食品として受理を済ませている。同時に北海道・・・
(詳しくは3/15発行・第1616号で)




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