森永乳業は7月27日に都内で「最新研究発表会」を開催し、ビフィズス菌BB536配合のヨーグルトに生活習慣の改善を組み合わせることで、老化の進行速度が減速する可能性を確認したことを発表した。森永乳業 取締役の宮地氏の挨拶より始まり、京都府立医科大学の内藤先生が老化研究の最前線情報を紹介、森永乳業研究本部の小田巻氏が臨床試験の結果と、ビフィズス菌と老化速度の関連などを解説した。
●森永乳業 取締役 常務執行役員 研究本部長 宮地一裕氏
同社のこれまでのビフィズス菌研究の取組みを紹介。よく一緒にされることの多いビフィズス菌と乳酸菌だが、生物分類上はヒトとクラゲほどに異なるという例で違いを分かりやすく説明した。ヒトのビフィズス菌は1500万年ものあいだ、人の腸内で進化しながらヒトの健康維持に重要な役割を担ってきた可能性があるという。
森永乳業ではビフィズス菌素材を多種類開発しているが、それらはすべてヒトに住むビフィズス菌で、それぞれの菌の持つ特徴を活かした研究開発を行っている。ビフィズス菌は100種類以上が見つけられているが、ヒト常在性ビフィズス菌(HRB)と、動物由来などヒト非常在性ビフィズス菌を区別する必要があることを訴求した。
●京都府立医科大学大学院 医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授 内藤裕二氏
老化研究分野に誕生している新しい領域「Geroscience(ジェロサイエンス)/Geromedicine(ジェロメディシン)」を紹介。これまでは疾患ごとに治療されていたが、Geroscienceはこれらを融合させ、すべての病気の根本である老化プロセスそのものを標的とする。老化スピードを遅らせることで加齢疾患の発症を同時に送らせて健康寿命の延伸を図る。
老化を引き起こす根本原因をまとめた「Hallmarks of Aging」は提唱時の9項目から現在では12項目に拡張されている。老化度の評価に使われるのは、DNAメチル化情報による生物学的年齢の計測。エピジェネティック時計、マルチオミックス時計など、老化を考える様々な指標を紹介した。
京丹後長寿研究では、エピジェネティック時計測定が集積されつつあり、現在解析が進められている。京丹後の高齢者のEpiClock(エピゲノム年齢計算モデル)年齢が有意に若いことが確認された。老化の遅い群と速い群での腸内細菌の比較も行われ、老化が速い群ではバクテロイデス門の増加とファーミキューテス門の減少(F/B比が下がる方向)の緩やかな傾向が確認された。
●森永乳業 研究本部 バイオティクス研究所長 小田巻俊孝氏
ビフィズス菌ヨーグルトを使い老化速度を検証した臨床試験結果を報告。BMI25以上の50~74歳の男性48名による12週間の試験で、ビフィズス菌BB536 配合プレーンヨーグルトを1日100g摂取し生活習慣(運動と食事)を見直した群(介入群)と対照群を、DNAメチル化に基づく老化関連指標にて評価を行った。
その結果、対照群の老化速度は変わらなかったが、介入群は対照群と比べて老化速度が約2.3%低下し、最大で約9.8%減速の人も見られた。なお、BMIや運動習慣変化との関連性は認められていない。
その作用機序としては、ビフィズス菌が尿毒症毒素の前駆体であるインドールを、ヒトの健康維持に寄与するインドール-3-乳酸(ILA)へ変換する作用と、ビフィズス菌により体内の炎症が調節され、過剰な炎症が制御されるという可能性が考えられている。














