関連トピックス

知識の偏り(バイアス)を意識しながら情報発信することが大切―第46回食品添加物メディアフォーラム

(一社)日本食品添加物協会は、7月3日に都内で「第46回食品添加物メディアフォーラム」を開催した。今回のフォーラムでは、認知心理学の第一人者である京都大学大学院 教育学研究科 教授 楠見 孝氏による講演、楠見氏とスマートニュース メディア研究所 所長 山脇岳志氏によるトークセッションが行われた。
(内容は編集部まとめ)

■講演
なぜ人は特定の食品を回避するのか? 認知心理学から考える食品リスクコミュニケーション 京都大学大学院 教育学研究科 教授 楠見 孝(くすみ たかし)氏

人には誰にでも認知における偏り(バイアス)がある。専門家でもメディアなど情報の送り手にもバイアスがあり、そのバイアスに気づかない「バイアス盲点」があることを、まず知る必要がある。バイアスを踏まえたメディア報道をすべきである。

人が特定の食品を回避するのは「感情ヒューリスティック(対象に抱く好き・嫌いなどの感情)」がリスク-ベネフィット情報処理に及ぼす影響のためで、ネガティブ感情によりリスクが大きくベネフィットを小さく認知させるため。

バイアスを修正するためには「批判的思考」(クリティカルシンキング:熟慮的・内省的な思考)やメディア・リスクリテラシーが必要で、ヒューリスティックなどによるバイアスを修正し、適切なリスク認知と行動を導くことが重要となる。

■トークセッション
登壇者:楠見 孝氏、山脇岳志氏(スマートニュース メディア研究所 所長)

人は不安や危険を避けて生き延びてきたこともあり、現代でも安心して生きていくためにリスクに敏感になっている。そういった背景もあり、フェイクニュースは真実よりも早く広がる。不安をあおるニュースの方が受け入れられやすく、真実かどうか確認されないままに広がってしまう。

情報発信するときには、「批判的思考」が必要である。情報を受け取るときも必要であるが、現代はメディアだけでなく受け手もSNS等で情報発信できる時代であるから、受け手側が発信するときにはさらに気を付ける必要がある。

スマートニュース メディア研究所が考えるメディアリテラシーとは
1すべてのメディアメッセージ(情報)は「再構成されている」ことを意識する必要がある
2クリティカルシンキングの大切さを自覚する
3メディアの仕組みについて理解する

今の大人たちはメディアリテラシーについて学校で学んでいない。そこでメディア側が、受け手側が自身で判断できるような形で情報発信をすることで状況は変わっていくだろうと考えている。

dsm-firmenichのビタミン事業、大幅見直しへ

食品製造事業の領域をさらに拡大―ツルヤ化成工業

関連記事

  1. キリン ヘルスサイエンス事業部、免疫研究から生まれたiMUSEブ…
  2. 食品と開発 ニュース 機能性表示食品で初、免疫機能を表示した製品が受理
  3. shaking-hands ヤヱガキ醗酵技研が酪酸菌の発酵技術に関する共同研究開発で韓国NP…
  4. テアニンの体内動態と脳への影響について日本食品科学工学会 第68…
  5. 早稲田大学、酪酸産生機能を有する新細菌群(C細菌群)をヒト腸内フ…
  6. 清涼飲料分野の幅広い技術情報を発表―日本清涼飲料研究会「第29回…
  7. 三井製糖年賀会―海外展開や高付加価値素材に意欲
  8. 食品開発展2024 閉幕―活況を呈した三日間でした

お問い合わせ

毎月1日発行
  年間購読料 33,000円(税込)
      1冊 3,300円(税込)

海外展示会のツアー開催

「食品と開発」では海外の食品展示会に合わせたツアーを開催しております。渡航や展示会入場に関する手続きを省け、ツアーならではのセミナーなどの企画もございます。
資料請求は【こちら】

■2025年予定
・12月1日(月)~8日(月)
Fi Europe/ルサッフル社訪問/欧州市場調査(パリ、ブリュッセル、ロンドン)

■2026年予定
・3月3~6日 米国
Natural Products Expo West

食品開発展2025

Hi Japan2025

PAGE TOP