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ケストースの潰瘍性大腸炎への効果に関する研究が国際科学雑誌に掲載

物産フードサイエンスは、産学共同研究として進めてきたケストースによる潰瘍性大腸炎への効果に関する研究について、研究成果が国際科学雑誌『Alimentary Pharmacology and Therapeutics(AP&T)』に掲載されたことを発表した。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患であり、疾患の原因が解明されておらず、指定難病に位置付けられている。近年の研究により、潰瘍性大腸炎罹患者の糞便内では酪酸産生菌が減少していることが明らかになっており、腸内細菌叢と潰瘍性大腸炎との関係が注目されている。

今回は研究成果として、酪酸産生菌を増やすことが知られている「ケストース」が潰瘍性大腸炎に与える影響について、二重盲検ランダム化比較試験にて検証した結果を報告している。

軽度から中等度の潰瘍性大腸炎と診断された40名(ケストース群20名、プラセボ群20名)に、従来の治療法に追加する形でケストースまたはマルトース(プラセボ群) を8週間摂取してもらった。その結果、ケストース群ではプラセボ群と比較して、8週間後の臨床的疾患活動性(症状の重症度)が有意に低下し、8週間後の寛解率は有意に高率であった。

また、炎症性腸疾患にて増加することが報告されているRuminococcus gnavusが、ケストース群において有意に減少していることも明らかとなった。これらの結果は、ケストースによる腸内細菌叢を介したアプローチによって、潰瘍性大腸炎の臨床的な改善がもたらされた可能性を示唆していると考えられた。

■「ケストース」とは
スクロースに1分子のフルクトースが結合した三糖類の難消化性糖質(オリゴ糖)で、タマネギやアスパラガス、ニンニク、大麦、ライ麦などにも含まれている。砂糖に似たまろやかな甘味を有し、摂食後は消化・吸収されることなく大腸まで届き、ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸産生菌などの有用菌の栄養源となることが報告されている。

掲載雑誌:国際科学雑誌『Alimentary Pharmacology and Therapeutics(AP&T)』
論文のURL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/apt.17387

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