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マキベリーエキス「Delphinol®」の骨粗鬆症改善に関する新データ論文発表

オリザ油化のマキベリーエキス「Delphinol®」は血糖値と抗酸化を訴求した製品だが、奥羽大学 歯学部薬理学科 鈴木恵子教授らと研究を行い、骨量改善作用についてのエビデンスを新たに論文化し発表した。

この論文は「Antioxidants (Basel). 2019 Sep 10;8(9)」に「A Delphinidin-Enriched Maqui Berry Extract Improves Bone Metabolism and Protects against Bone Loss in Osteopenic Mouse Models.」(デルフィニジンが強化されたマキベリーエキスは、骨代謝を改善し、骨減少症マウスモデルの骨損失を防ぎます。)の標題にて掲載された。

試験に用いたDelphinol®は、総アントシアニン含量35%以上、総デルフィニジン含量25%以上という特徴的な組成を持つエキス。デルフィニジンは非常に高い抗酸化力を持つことがこれまでの研究の中で確認されている。また、以前の研究により骨粗鬆症モデルマウスにおいて破骨細胞を抑制し、骨量減少を防ぐことが報告されていた。

今回論文化された研究では、Delphinol®が骨を作るために必要な骨芽細胞の分化に重要な働きを示す各種遺伝子発現のアップレギュレーションを介して、マウス頭蓋冠由来細胞MC3T3-E1 細胞を骨芽細胞へと分化誘導した。さらに骨芽細胞のマーカー酵素であるアルカリ性ホスファターゼ(ALP)の発現も増加した。Delphinol®は骨形成に重要な役割を果たす各因子を増加させることを確認するとともに、Delphinol®はNF-kB を抑制することで骨形成の促進と骨吸収の抑制に関与することも確認した。

次に骨内部の微細構造を観察するため、骨粗鬆症モデルと更年期モデルの2 種のモデルマウスに対するDelphinol®の効果を確認した。Delphinol®の摂取により両群において、骨密度、骨梁幅、骨梁数、骨梁結節数/終末数、類骨量、骨形成速度は有意に増加。骨梁間隙、吸収面、破骨細胞数は有意に減少した。

これらの結果より、Delphinol®は骨芽細胞による「骨形成」と、破骨細胞による「骨吸収」に影響を与えることにより、骨代謝を改善させることが確認された。同社は Delphinol®を骨粗鬆症対策の製品としても幅広く拡販していくことを考えている。

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