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19年度・日本農芸化学会 食品の健康機能、乳酸菌など研究成果が続々

「日本農芸化学会2019年度大会」が先月24日から4日間、東京農業大学で開催された。初日の「食による脳機能改善を考える」をテーマにした大会シンポジウムは、満席で立ち見の聴講者も多数見られた。一般演題は約1,600題に上り、食品成分による生活習慣病予防効果や健康長寿に貢献する研究成果などが報告された。健食関連では特に、乳酸菌関連の研究発表が目立った。

■認知症予防、「食事・運動・筋力量保持”が重要」(九州大大学院・二宮氏)
会期中は18の大会シンポジウムが実施され、「食による脳機能改善を考える」をテーマにしたシンポジウムでは、九州大学大学院の二宮利治教授が、福岡県久山町の住民対象に、1961年から行われている約1 万人の疫学調査をもとに講演。65歳以上の認知症患者の割合は1985年で6.7%だったのが、2012年には17.9%に増加していた。また糖尿病の人は、認知症患者の割合が高かったほか、握力検査から筋力が低い人は認知症発症のリスクが高かったという。同氏は、「歯の喪失率が高いことも危険因子の1 つになる」と述べた。食事パターンを分析した結果から、「大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類のほか、牛乳・乳製品などの摂取が認知症発症のリスクを抑える可能性が考えられる」とした。同氏は、認知症患者は2025年に約700万人に、2050年には1,000万人に達すると推計。認知症の予防は、「“食事・運動・筋力量保持”が重要」と強調した。京都大学農学研究科食品生物学専攻の入江一浩氏は、マリアアザミに含まれるシリマリンに抗アルツハイマー病活性を示す作用があることを報告。「認知症は発症してから治すのは極めて困難。早期発見・予防が大事になる」と話した。キリンR&D本部健康技術研究所の阿野秦久氏は、ポップ由来のビール苦味成分であるイソα酸や乳由来成分に認知機能の改善効果が期待できることを紹介。「両素材とも食歴も十分な成分なので、ヒトにおける実証試験も行っていきたい」と述べた。会期中は、このほか、「食品成分の免疫調節作用とその分子メカニズム」「産業利用が始まっている体内時計研究」「食品機能研究を担う両翼~分子メカニズムの解明と臨床応用~」をテーマにしたシンポジウムなども開かれた。

本記事は「健康産業新聞 1665号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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