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【インタビュー】新・中期経営計画始動、さらなる飛躍目指す(はくばく、長澤社長)

昭和16年創業の㈱はくばく(山梨県中央市)は、市場のシェア5割強を占めるなど雑穀のリーディングカンパニーとして業界を牽引。「もち麦市場は伸びるポテンシャルがある」と語る同社代表取締役社長の長澤重俊氏に、大麦市場や今後の戦略について話を聞いた。

―― もち麦市場について
もち麦市場は順調に推移している。背景には「もち麦摂取で内臓脂肪が減る」というテーマで放映されたテレビ番組の影響が大きい。昨年7 月と今年1 月の番組放映後は売上が飛躍的に増加、大麦全体の昨対比( 4 ~ 3 月)で139%増と急伸した。新規ユーザーも多く獲得したことから、このマーケットはさらに伸びるポテンシャルがあると考えている。5,000人に行った昨年の市場調査でも、「継続利用者」は12%、「休止」が30%、「食べたいと思うが食べたことがない人(潜在需要)」が20%存在することがわかった。潜在需要への具体的なアプローチが今後の課題と捉えている。
―― 今後の戦略について
「大麦の健康機能性を突き詰めていくこと」が一つ目の大きな柱だ。腸内環境の研究を現在、大妻女子大学と共同で行っている。これまで血糖値の上昇抑制や血中コレステロール低下作用などが解明されてきた。最近では、“認知症に対して腸内環境が関係しているかもしれない”という新たな研究が進んでいる。認知症や生活習慣病の改善は、国の医療費削減など社会的課題解決の視点からも重要なテーマだ。社会的課題の解決は企業の大きな使命であり、結果的に企業の成長にもつながる。2 つ目の大きな柱は、もち麦のみならず、「雑穀や玄米の推進活動」になる。我々が行ったリサーチで、もち麦を食べている人は“雑穀や玄米も食べている”ことがわかっている。経営理念である「豊かで健康的な食生活を穀物によって実現する」を目指す我々にとって、この調査結果は朗報で、勇気づけられた結果でもあった。“主食を変えることで健康に”というプロモーショに加え、「今日の主食は玄米に」あるいは「雑穀に」といった選択肢の裾野を広げることができる。主食を楽しめるという意味では、リピーターを生む施策にもなるだろう。様々なシーンでもち麦を食べることができる状況をつくるべく、麦茶や乾麺、そばといったラインアップの強化、“無菌パック”“そのまま食べられる商品”といった時短需要も取り込んでいく。3 つ目の大きな柱は海外事業となる。これは新中期経営計画の目玉のひとつでもある。アメリカでは現在、半生ラーメンを売り出しており、手応えも感じている。海外展開のしっかりした足掛かりを次の3 年間でつくっていきたい。前中期経営計画は目標売上高200億円を突破した。この4 月から始まる新中期経営計画では、当社の強みを十分活かせる「家庭用」に少しシフトする。当社がやるべき商品を徹底的に深掘りしていく方針だ。

本記事は「健康産業新聞 1666号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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