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連載【米国市場調査レポート(上)】フェイクミート等、植物由来食品が台頭

米国最大規模の自然・健康食品総合展示会「ナチュラル・プロダクツ・エキスポ・ウエスト」が先月6日~9日、カリフォルニア州アナハイムコンベンションセンターで開催された。本紙では同展示会および州内の店舗などを巡る視察ツアーを実施。米国の自然・健康食品市場の最新動向を探った。今回から2回にわたり、展示会、店舗視察からみる市場のトレンドについて紹介する。

■“食の植物化”が加速
過去最大となる8 万8,000人が来場したナチュラル・プロダクツ・エキスポウエスト2019は、3,580社(うち485社が初出展)の出展社数を数え、昨年を大きく上回る規模での開催となった。同展示会で際立っていたのが、植物性原材料を用いた「Plant Based Food(植物由来食品)」だった。米国では現在、肉の消費を制限する「食の植物化」が加速。ときどきベジタリアンになる“フレキシタリアン”の増加が市場拡大を後押ししている。こうした動きは米国のみならず世界的な潮流でもある。肉の消費を制限する消費者は全世界で31%を占めている。ベジタリアン食品・飲料の製品数も増加傾向にあり、2011年から2015年の統計で60%増に。このうちヴィーガン製品は新製品の4.3%を占め、2012年(1.5%)から約3 倍に拡大している。民間の調査会社によれば、ベジタリアンの比率が最も高いのはミレ二アル世代で、全体の12%を占めるとの報告も。市場拡大の背景にはミレ二アル世代の存在が大きい。同展示会では、大豆タンパク使用の「黒胡椒ステーキ」や「ジャーキー」、植物性100%の「ハンバーガー」、ひよこ豆使用の「卵」などの展示が見られた。大豆使用のイミテーションビーフを開発するvegeUSAの担当者によれば、「肉代替え食品市場は年々、倍増の勢いで伸長している」といい、「フレキシタリアン層の広がりが追い風になっている」と話す。外食ルートでは、「大学の学食でパスタに混ぜたメニューや、高級レストランでのイタリアン料理や創作料理に採用されている」と述べ、「販路も拡大傾向にある」とした。肉の代替え製品をPRするUNISOYは、大豆使用の「ジャーキー」を展示していた。同社の担当者に話を聞くと、「世界のヴィーガン市場は①オーストラリア、②アメリカ、③UKの順にマーケットを形成している。おもに健康意識の高い40代の男性層に支持されている」という。開発については、「食感や風味をできるだけ肉に近づけるように心がけている」と述べた。
■フェイクエッグの提案も
「米国では近年、大豆アレルギーが表面化している」と語るのは、ATLANTICNaturalのローラ氏。“フェイクミート”および“フェイクエッグ”開発者である。フェイクミートの原材料については、「ひよこ豆や全粒粉のオーツ麦、コーンミール、ミートエッグ、タマネギ、ニンニク、スパイスを使用した」といい、大豆は一切不使用と説明する。また、フェイクエッグの原材料には「チアシードとひよこ豆を使用している」と述べ、「クッキーのつなぎとしての需要がある」という。ブースには多くの来場者が訪れ、代替製品への関心の高さが伺われた。

本記事は「健康産業新聞 1665号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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