加齢とともに炎症体質が進行する「炎症老化」。近年の研究により、慢性的な炎症が“がん”や生活習慣病リスクを高めることがわかってきた。加齢とともに体内で慢性的に続く低炎症状態が細胞の損傷を蓄積させ、細胞の機能低下を招き、老化を加速させるという。ここ数年、欧米を中心に健康的な長寿を指す「Longevity(ロンジェビティ)」への関心が高まっているが、Longevity実現に向け、食生活の見直しや運動促進など、炎症を起さないライフスタイルが重要であると指摘されている。一方、身近な側面では「疲れやすい」「やる気が起こらない」、こうした状態にも慢性炎症が関与しているとされる。ストレス社会といわれる現代において疾患ともとれないこのような症状だが、これらは脳内で起きた炎症によって脳機能が低下し、認知機能低下や抑うつなどの神経症状を引き起こすという。ストレスを受けると生体内で炎症性サイトカインを誘導することがわかっており、慢性炎症性疾患の患者では、うつ病の併発率が高いことが報告されている。慢性炎症とうつ病の因果関係については解明されていないものの、こうした状況が進展すると、正常な社会生活が送れなくなる慢性疲労症候群を引き起こすとして、世界的に関心が寄せられている。
「ANTI- INFLAMMATORIES」 「LONGEVITY」、抗炎症テーマにサプリの利用拡大に期待
近年、体内で発生する炎症への関心が高まっている。特に、低いレベルの炎症が継続する慢性炎症が種々の疾患を引き起こす要因であるとして注目が集まる。慢性炎症は、本来一過性にとどまる炎症反応が弱い状態でくすぶり続け、歯止めが効かない状態になることを指し、痛みなどの自覚症状が無いまま進行していく。こうした日々の炎症発症リスクについて、サプリメントや食品を用いた対策が世界
的に進んでいる。サプリメント先進国の米国では、関節痛など炎症が原因で起こる疾患向けに抗炎症をテーマにしたサプリメントが広く流通しており、小売店では“JOINTSUPPORT”コーナーと隣接する形で”ANTI
INFLAMMATORIES“としてカテゴライズ
されるなど、消費者にも広く認知されて
いる。またここ数年、健康的な長寿の実
現をテーマにした「Longevity(ロンジェビ
ティ)」への関心が高まっているが、慢性炎症は多くの疾患を引き起こすことから、
Longevityの観点からも重要なファクター
となっている。
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