氷温技術とは、食品が凍結する寸前の0℃以下の温度帯である「氷温域」を利用した技術。日本には、昔から「寒仕込み」や「寒ざらし」といった、冬の寒さを利用した食品加工の知恵があったが、それを冷熱技術により高精度に行っているのが氷温技術による「氷温熟成」だ。この温度域で食品を貯蔵・加工することで、鮮度を保ちながらアミノ酸や糖度を増加させ、食品本来のうま味や風味を高めることができる。添加物などを使わずに保存できることから品質安全面とフードロス削減の観点からも氷温技術は注目されている。
氷温技術は、鳥取県の二十世紀梨を保存する技術の研究が発端で、二十世紀梨の販路拡大に貢献したことから、農産品から畜産、水産品と徐々に応用技術を発展させてきた。現在では、氷温技術を利用した認定商品は累計で930品目を超え、キムチやかつお節などは全国のスーパーで販売されており、コンビニのおにぎりやお弁当でも商品化が相次いでいる。コーヒーやお米も氷温熟成®商品が人気だ。
氷温技術は、使用する企業が安心して取り組めるように知的財産化されており、(株)氷温研究所が管理・運営から商品化までをサポートしている。また、氷温食品や氷温機器に関する認定審査は(公社)氷温協会が担っている。
高精度デジタル氷温計「氷温®サーモ」
サーモポートは、冷蔵でも冷凍でもない第3の氷温®温度域を高精度に測定可能な高精度デジタル氷温計「氷温®サーモ TP-880HY」(写真)を発売した。
同品は発売開始以来、国内設計・製造・検査による圧倒的な高品質とオプションセンサ群の充実でロングセラー製品となっている「サニタリーサーモ」の特長や使い勝手はそのままに、0℃から食品が凍り始める温度(氷結点)にあたる“氷温域”において±0.10℃の高精度測定を実現したもの。例えば氷結点が-2℃付近の魚であれば、0℃から-2℃付近の間で保存することで凍らずに鮮度良く保存できるため、氷温域でのシビアな温度管理が品質管理上不可欠となる。(公社)氷温協会の認定を受けた氷温®サーモは、氷温域管理に特化した温度計として注目されている。
氷温®サーモは、専用センサ(PTP-150)付属、トレーサビリティ校正書類標準付属で90,000円(税別)。














