食品素材の記事

レトルト商品のプリプリ食感の劣化を抑制する品質改良剤

キティーは、レトルト調理時の食感低下を抑え、保形性の維持に効果を発揮する製剤「やわらか職人(R)KM(加圧調理対応)」を開発し、近く本格販売を開始する。独自の技術により、レトルト加工などの加圧調理時に発生するほぐれ感のある独特な食感の劣化を抑制するほか、保水効果により歩留まり低下を抑え、さらにマスキング効果をもたらす。これまでレトルトに不向きだった食材を使った商品化が可能であり、剥きエビを用いたレトルト商品(カレーや惣菜、ラーメンの具材等)などにも適する。

「やわらか職人(R)KM」は、レトルト製品・加圧調理食品など常温流通を想定した加工食品向けの食感改良剤で、酵素とたん白によって発生する特殊なゲルによって加圧調理時の筋繊維間のダメージを補完し食感を保つ(特許出願中)。タンブリングまたは浸漬後、レトルト加熱調理する前処理として一次加熱調理を行うことでレトルト時の食感低下をさらに防止することができる。

右が「やわらか職人(R)KM」を使ったエビ調理品

同品の4%水溶液(対肉50%液量、対肉製剤濃度2%)を作成し、バナメイエビ(サイズ71/90)をタンブリングして1時間静置後、スチーム加熱を90℃、5分間実施し、その後トマトソースでレトルト加工した比較試験(ブラインドテスト)では、官能評価において、ジューシー感やプリプリ感、弾力、味、香りすべての項目でコントロール(無処理)よりも優れることが判明。とりわけ、ジューシー感、プリプリ感、弾力に優れる結果となり、12.5%の歩留まりアップを確認している(画像)。

これまでレトルトに不向きだった魚介類を用いた料理やカレーの具材などに適しており、プラントベースミートへの応用が可能なアレルゲンフリーの結着保水剤「プリ・ジュワット職人(R)」とともに、環境保全や災害食としての可能性などSDGsへの取組みに貢献できる商材として提案していく。

【2023年4月号】特集/精密発酵・細胞培養による食品素材開発

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