シンガポールのフードテック企業アナザーフードでは、細胞培養コーヒーの開発を行っている。
コーヒーは、昨年も干ばつなどの影響で豆の収穫量が減少して価格の高騰が起こるなど、生産・供給に不安定な要素が多い。
そこでアナザーフードでは、コーヒーノキから切り取った小さな木片から細胞を採取し、それを液体培養して、成熟したら細胞を収穫、焙煎してコーヒーにするという手法で細胞培養コーヒーを作っている。木片は原産地から直接仕入れることにこだわり、自然と調和を保ったシステム作りを行っている。また、遺伝子組み換えを行わないことで、自然のコーヒー豆と同じ品質、風味を目指している。
将来的にはコーヒーの遺伝子バンクを創設し、小規模な農園のみで生産されているような栽培量が少なく、絶滅の危機に瀕している種の細胞を登録していくなど、コーヒーのサステナビリティ向上を目的としたさまざまな事業を行う予定。まずはシンガポール国内から、その後タイやマレーシア、日本や韓国とアジア広域への進出を目指す。