日本ケロッグ合同会社は6月20日、「夏の便秘がまねく夏の肌老化リスク」をテーマとしたプレスセミナーを都内で開催した。記録的な猛暑が予測される中、紫外線対策だけでなく、腸内環境を起点としたインナーケアの重要性を専門家が多角的に解説。便秘改善に寄与する「発酵性食物繊維」の最新知見と、その手軽な摂取法が紹介された。

第一部では、国立消化器・内視鏡クリニック院長の吉汲結花子医師が登壇。臨床現場の実感として「夏場は便秘を訴える患者が例年比で約2割増加する」と報告。その原因を、水分不足や食生活の乱れに加え、近年の研究で明らかになった「紫外線」が腸内環境に与える影響だと指摘。紫外線により体内で発生した活性酸素を除去するために腸内細菌が動員され、腸内環境のバランスが崩れる可能性に言及し、「腸の状態が肌に直結する『腸皮膚相関』の観点からも、夏の腸活は肌老化対策に不可欠」と警鐘を鳴らした。

続いて、食物繊維研究の第一人者である大妻女子大学の青江誠一郎教授が、「便通異常症診療ガイドライン2023」でも「発酵性食物繊維」の摂取が推奨されるなど、食物繊維は”量”から”質”への転換期にあると解説。腸内細菌のエサとなり、酪酸などの「短鎖脂肪酸」を産生する発酵性食物繊維が、腸のバリア機能維持や全身の炎症抑制、ひいては皮膚状態の改善にもつながるメカニズムを説明した。青江教授は「日本人の発酵性食物繊維の摂取量は目標に達していない。特に誤解されがちだが、生野菜から摂取できる量はごくわずか。小麦ブランなど発酵性食物繊維が豊富な穀物を主食でしっかり摂ることが極めて重要」と強調した。

第二部では、日本ケロッグ マーケティング本部の上西理奈子氏が、これらの課題解決策として機能性表示食品「オールブラン」シリーズを紹介。主原料の「小麦ブラン」には、発酵性食物繊維「アラビノキシラン」が全粒粉の約4倍も豊富に含まれており、「便通改善」と「腸内環境改善」のWの効果が報告されていると述べた。日々の食事に手軽に取り入れる「ちょい足し」という食べ方を提案し、サラダやスープ、ヨーグルトなど多彩なアレンジレシピを実演と試食を交えて紹介。夏のインナーケア対策として、科学的エビデンスに基づいた具体的なソリューションを提示し、セミナーを締めくくった。