興和は、世界でニーズの高まるナチュラル志向やキッチン素材、GMO・アニマル・グルテンフリー、クリーンラベルなどを開発コンセプトに、少量添加で食品に複雑さのある呈味やコクを付与できる粉末タイプの発酵調味素材2品の本格販売を開始した。エンドウ豆や大豆中のタンパク質を、麹(Aspergillus oryzae)を用いた独自の手法で発酵させることで、生成されたペプチドや遊離アミノ酸が呈味やコク付与効果をもたらす。Halal、Kosher認証も取得済みで、既に欧州市場では採用実績も出始めている。
エンドウ豆を麹発酵した「Savorich®PN」は、0.1%程度の添加量で食品に複雑さを付与・増強する。唐揚げに使用した場合、冷めても出来立てのおいしさを付与し、みたらし団子では熟成された醤油の味わいをもたらす。またポテトスナック生地への配合では生地のうまみと香ばしさがアップする。
大豆を麹で発酵した「SavorK®S」は、コク付与に適した製品。油脂との相性が良く、チキン白湯スープへの使用(0.1%)ではチキンの風味とうま味が底上げされ、全体的にまとまりが良く味の厚みが増す。30%程度減塩しても満足感が得られるという。デザートや乳飲料などへの使用にも少量で効果を発揮し、いちごミルクに添加した場合、ミルクの風味と甘味が持続・増強されリッチ感のある味わいとなり、チョコレートクリームでは口当たりが滑らかで濃厚な味わいに仕上がる。
いずれの製品も賞味期限は18カ月。風味増強・減塩減糖効果を活かし、高騰する原料の一部代替にも利用できる。加工食品が伸長する東南アジア市場なども視野に入れ、幅広く提案していく。