関連トピックス

ペルー大使館イベント開催 ~スーパーフードの科学的根拠に焦点 ビタミンCの宝庫カムカム、解毒力注目のマカ~

4月25日、在日ペルー大使館(東京都渋谷区)は大阪・関西万博の関連イベントとして「自然豊かなペルーの恵みで創る未来 ~ペルーのスーパーフード体験会~」を大使館において開催した。万博テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に呼応し、ペルーの機能性食材とその背景にある科学的知見を紹介する場となった。

イベント冒頭、駐日ペルー大使代理のマヌエル・ゴンサレス首席公使が登壇。「ペルーのスーパーフードと万博テーマの重要な関わりに注目して話を進めたい」と切り出し、ペルーが持つ自然資源の多様性、持続可能な開発への取り組み、そして世界的に評価される食文化を紹介。万博ペルーブースでの発信内容にも触れ、イベントが両国の関係深化に繋がることへの期待を述べた。

続いて行われた基調講演では、ペルーを代表するスーパーフードの機能性について二人の専門家が登壇し、科学的見地から解説した。

東京農業大学の豊原秀和名誉教授は、レモンの約157倍という驚異的なビタミンC含有量を誇るカムカムについて講演。アマゾン川流域に自生するこの果実が、いかにして栽培され、品質を保ちながら加工されているかを解説。接ぎ木による栽培期間の短縮や、最適な熟度での収穫の重要性を強調した。また、ビタミンCだけでなく、ポリフェノールなどの他の有用成分に関する研究や、伝統的な利用法、さらには残渣利用といったSDGsへの貢献にも言及し、カムカムが持つ多面的な価値を示した。

名古屋大学の大澤俊彦名誉教授は、マカに含まれる特有成分「ベンジルグルコシノレート」に焦点を当てた。この成分はワサビやブロッコリーなどアブラナ科野菜にも含まれるが、マカに特に豊富であると指摘。長年の機能性食品研究に基づき、ベンジルグルコシノレートが体内でイソチオシアネートに変化し、がん予防に関わる「解毒酵素」を活性化させるメカニズムを解説した。特に、体内の有害物質を無毒化し排出する「解毒力」を高める効果は、現代社会において非常に重要であると強調。運動能力向上に関する研究にも触れつつ、マカの新たな健康効果への期待を語った。

イベントの最後に、ペルー大使館商務官のフェルナンド・アルバレダ氏が登壇。講演者や参加者への感謝を述べ、「紹介されたスーパーフードは健康に有益であり、将来社会に不可欠。万博を通じ、ペルーから人類の健康への貢献としてこれらの製品を提案していきたい」と、その重要性と将来への展望を簡潔に語った。

今回のイベントは、ペルー産スーパーフードの持つ豊かな可能性を、科学的な視点から深く掘り下げる貴重な機会となった。特にカムカムの豊富な栄養価と、マカの持つ解毒作用への注目は、健康志向が高まる現代において大きな関心を集めそうだ。

ペルー大使館首席公使
ペルー大使館首席公使

【2025年5月号】特集/アレルギーコントロールと検査技術

未来の食「ヴィーガン・プラントベース」アカデミー、大阪万博で開催

関連記事

  1. 健康食品の通信販売事業を開始  第1弾は「システインペプチド」
  2. 製造工程のトラブルを3割削減! 夏の食中毒防止に向けて考える 従…
  3. 行政、他団体との協力でさらなる拡大へ
  4. 食品と開発 ニュース 東洋新薬、鳥栖工場およびインテリジェンスパークがFSSC2200…
  5. 安全性評価のデジタル化、食のサステナビリティへの貢献を推進
  6. BASF、第1回「Newtrition Health Innov…
  7. 「DXって何から始めれば良いの?」に答えます 今さら聞けない食品…
  8. ヘルスケア分野の新規サービス開発に向けた協業を開始
    ―De…

お問い合わせ

毎月1日発行
  年間購読料 33,000円(税込)
      1冊 3,300円(税込)

食品開発展2026

海外ツアー情報

「食品と開発」では海外の食品展示会に合わせたツアーを開催しております。渡航や展示会入場に関する手続きを省け、セミナーなどツアーならではの企画もございます。

ナチュラルプロダクトエキスポ2025

2026年3月1日(日)~7日(土)

ナチュラルプロダクトエキスポ

アメリカ市場視察 ツアー

PAGE TOP