アイエンスは、有機排水の浄化効果を高める独自開発の排水処理散気管“アクアブラスター”を軸とした排水処理システム「AIS(アイエンス・イノベイティヴ・システム)」の提案を行い、薬品を使うことなくメンテナンスフリーで水質改善と悪臭・汚泥の削減を実現するソリューションとして採用が加速している。
AISは、アクアブラスターで粉砕撹拌曝気を行い、高性能菌に完全好気呼吸の代謝を促すことで、汚泥処理を必要とせず硫化水素など腐敗臭の削減を実現する。また、高濃度かつ負荷変動の大きい排水にも対応することから難易度の高い水質性状の現場にも数多くの導入実績をもつ。
そのひとつがタコの加工を手掛ける水産加工施設 ㈱カナリーへの導入事例だ。住宅街にほど近い同工場は、タコを茹でる際に使用される薬剤やぬめり成分が原因で生物処理に支障をきたし、泡がそのまま系外に流出したり強烈な悪臭にも悩まされたりしてきた(写真)。AISを導入後は、排水処理用の薬剤を一切使用することなくアクアブラスターの効果のみで微生物が活性化されたことで排水性状が改善され、泡・臭気ともに大幅な減少が確認された。汚泥削減効果も見られ、従来は別途で処理を行っていた汚泥処理の負担軽減にもつながったという。メンテナンスフリーな特長を生かし、AISを地下に設置したことで敷地の有効活用にも貢献している。
また、鶏肉や卵の加工を手掛ける養鶏施設 長崎県養鶏農業協同組合は、メンテナンスフリーな点が評価され工場新設時にAISを導入した。同所では、「長崎ばってん鶏」として世界進出を視野に入れた鶏肉のブランド価値向上に取り組んでおり、万が一の工場排水トラブルでもイメージ損失につながるリスクは避けるべきという考えのもと、組合長のトップダウンによりAISの導入に至った。2021年の導入以来、油脂を含む高負荷な排水性状にも関わらず、現在に至るまで硫化水素や汚泥の発生の無い運転をメンテナンスフリーにて継続している。













