“サプリ的オイル”の認知が浸透している。食用油市場は、世界的な原料高騰や値上げ等の影響を受けて微増で推移する中、米油が国内外で好調なほか、アマニ油についても昨年5月のTV報道以降、ブームとして新たに日常生活に浸透している。今後の植物油の安定供給に向けた課題解決に取り組む新たな業界団体も発足。ネクストオイルでは、高級オイル“アルガン”や、加熱調理に適した健康オイル“カメリナ”、プニカ酸高含有の“ザクロ種子”などの新たな展開がみられる。
植物油の原料高騰継続、値上げ等も影響 課題解決目指す新たな業界団体設立
農水省「油糧生産実績調査」によると、2024年の植物油脂の生産量および在庫量の合計は160万トン(前年比2.8%増)、うち輸入は152万トン(同2.6%増)を占める。植物油市場は、パーム油、大豆油、菜種油を中心としたバイオディーゼル向けなど世界的な食用油需要の増大や、北米、南米、欧州など原料生産国の天候不順に加え、円安による原料調達コストの上昇、ロシアのウクライナ侵攻による穀物需給不安の高まりなどが影響し、世界的な原料価格の高騰が続いている。大手各社では、家庭用、業務用ともに安定供給を前提とした食用油の段階的な価格改定を実施。加工食品の中でも業務用製品の取り扱いの多い植物油は、近年人材不足と効率化が深刻化している物流業界においても荷姿や附帯作業の負荷などから、安定供給に向けた改善が求められている。このため、食用油最大手の日清オイリオグループとJ-オイルミルズ、昭和産業の3社はこのほど、(一社)日本植物油協会と連携し、業務用製品を中心とした物流持続性の向上を目的とした「油脂物流未来推進会議(通称:YBM会議)」を発足。今後の課題解決を目指す。
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