疲労感軽減を訴求する機能性表示食品市場が急成長している。2024年は前年比145.8%増の347億円2025年は374億円に拡大する試算が報告されている(富士経済調べ)。働き盛り世代では長時間労働や睡眠不足、ストレス過多といった現代人の生活環境を要因にセルフケアの意識が浸透。軽度な不調は自ら改善したいとする休養・ストレスケア需要が市場拡大を後押ししている。こうした中、ブランドオーナーでは、黒酢ドリンクやスポーツドリンク、菓子、サプリメントなどの幅広いカテゴリーによる商品展開を進めており、脂肪低減や生活習慣予防を組み合わせた“マルチヘルスクレーム”での差別化戦略を加速させている。
機能性表示はGABAが圧倒的首位に
疲労対策をテーマとする機能性表示食品は、GABA(γ-アミノ酪酸)が届出件数で首位を維持している。届出件数は1,200件超となっており、睡眠の質や精神的ストレスへの対応素材として定着。飲料やサプリメント、菓子など幅広い製品形態での展開が進んでいる。昨今では複合機能型訴求の商品開発も加速。プラスαの商品開発で差別化を図る動きがトレンドとなっている。飲料ではGABAとL-92乳酸菌を配合した『PLUSカルピス ほっと免疫サポート&疲労感ケア』(アサヒ飲料)などが開発されており、免疫機能維持と疲労感軽減のW訴求を行っている。サプリメントでは、GABAとグリシンを組み合わせた『グリナ®』(味の素)が、睡眠の質改善と疲労感軽減のサポートを訴求するなど、複合機能型の商品化が進んでいる。原料サプライヤー・サンクトでは、『GABA』と『発酵GABA』を睡眠・ストレス改善訴求で提案している。先ごろ開催された食品開発展2025では「来場者の問い合わせが最も多かったとしている。GABAなど多素材で疲労回復市場を強化していく方針だ。
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