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特集【関西受託マップ】国内屈指のインバウンド先進エリア 消費激戦区で活躍する関西受託メーカー

伝統と新たな商流が融合する関西地域では、国内屈指のインバウンド先進エリアとしても知られる。健康食品や化粧品を含むライフサイエンス関連の集積地として新たな研究開発も活発だ。今回は、兵庫、大阪、京都、奈良―― の2府2県で活躍する受託メーカーに着目。機能性表示や粉末殺菌、打錠技術、海外展開の強化など、健康食品受託の特色ある素材や技術、ノウハウを紹介する。

■インバウンド消費好調な関西地域の消費動向が活発だ
近畿経済産業局が先月まとめた速報値によると、6月時点の関西圏の百貨店販売額は5 ヵ月連続、ドラッグストアは51ヵ月連続、コンビニの売上高は76ヵ月連続でそれぞれ前年を上回った。

法人企業の景気予測調査では、2019年度の設備投資が全産業で前年度比23.5%増(全国9 %増)、製造業と非製造業はいずれも20%を超えており、大企業23.1%増、中小企業30.8%増見込みとなっている。要因の一つにインバウンド消費の好調な推移がある。日本銀行大阪支店調査によると、今年1 ~ 7 月累計の大阪・京都・神戸の百貨店免税売上高は820億6,600万円(前年753億7,800万円)。

昨年の訪日外国人数は前年比8.7%増の3,119万1,856人(日本政府観光局統計)で増加の一途にある中、関西地域は、訪日外国人に人気のある京都や奈良の観光名所をはじめ、国際都市の神戸、天下の台所で生薬集積地としても知られる大阪などメジャーな観光地が集中しており、全体的な訪問率が高い。

また、訪日外国人旅行消費額のトップが買物代( 構成比3 4 . 7 % )で、宿泊費(29.1%)よりも多い。ドラッグストアをはじめとした店舗では、日本製の医薬品やサプリメント、化粧品の人気が継続。特に関西地域は、観光地や百貨店、ドラッグストア、コンビニなどの免税対応やキャッシュレス対応、フリーWi-Fi 設置なども進み、国内屈指のインバウンド先進エリアとしてのインフラが充実している。

■ライフサイエンス関連の先端技術集積地
関西地域では、国立大14校、公立大17校、私立大124校中、60校以上でバイオや化粧品、健康食品を含むライフサイエンス関連分野の先端研究を推進。活発な消費動向を支える高い研究ポテンシャルを持つ地域性も特徴の一つだ。

大阪や兵庫を中心とする国立研究機関や工業技術センター、農業試験場などでは、産官学連携を推進する研究機関も多く、大手製薬企業をはじめ、食品、化学、電器機械、精密機器、繊維などの分野から、資本力・技術力を有する企業が健康食品・化粧品市場に参入する傾向も見られる。

関西地域で活躍する健康食品受託メーカーをみると、サプリメントや健康飲料の一般的な受託製造にとどまらず、オリジナルの製造技術や、機能性を付加した新素材の開発・提案、海外展開の強化などで差別化を図っている。兵庫県を代表する健康食品の総合受託製造企業である日本ランチェスター工業は、沖縄産素材を中心とした健食受託製造に強く、素材の栽培から大学との共同研究など産学官連携を通じた最終製品までの一連の流れを構築。

オリジナル原料の評価は国内外で高く、オンリーワン素材の輸出に力を入れる。生薬の集積地として有名な大阪・道修町にある日本粉末薬品は、生薬製剤のパイオニアとして、医薬品・漢方から一般食品、健康食品に至る様々な受託加工に対応。原料供給事業では、国内加工のオリジナル素材を数十種類ラインナップし、市場ニーズにマッチした新素材開発にも力を入れている。

東淀川区に本社を置くファインは、機能性表示食品受理数70件超と業界トップ。累計800種超の製品製造実績を有し、自社ブランド商品も数多く展開。中国、シンガポールを含む海外9 拠点でグローバル化を推進。新工場「播磨先端製造技術センター」には、自動製造ラインやロボットを導入し、生産能力を高めた。

 

 

本記事は「健康産業新聞 1675号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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