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特集【グルコサミン】機能性表示が多数、スポーツ分野も進む 国内流通量、1,300t台に回復

関節サポート素材の代表格・グルコサミン。ここ数年の市場は、機能性表示食品の撤回騒動や、他の関節サポート素材の台頭に加え、週刊誌によるネガティブ報道などの影響もあり、いまひとつ盛り上がりに欠ける状態が続いた。国内流通量は1,300tを下回っていたが、今回の原料サプライヤー各社への取材から1,300t台に回復したとみられる。機能性表示食品の新商品やリニューアル品が増えたほか、原料サプライヤーによるスポーツニュートリション向けなどの提案が実を結び、関連商品が市場に出始めている。中国をはじめとした海外輸出が増えた事業者も。原料メーカー各社は、さらなる品質向上・管理体制の構築、原料スペックのラインアップ拡充などに力を注ぐほか、100人規模のヒト試験で機能性表示食品を目指す動きもある。

■グルコサミン市場 停滞気味から攻勢へ

グルコサミンの原料サプライヤーは、甲陽ケミカル、プロテインケミカル、中原、焼津水産化学工業、扶桑化学工業、協和発酵バイオ、南海化学、ビーエイチエヌ、ヤヱガキ醗酵技研、バイオメディカルウェルネスなど。市場は成長期から成熟期に入り、ここ数年は停滞気味だったが、今回各社からは「大手企業の機能性表示食品向けに供給が伸びている」「自社受理品をベースに複数社が届出を行っている」「スポーツサプリメントへの利用が広がっている」「OEM案件が増えた」「海外向け輸出の出荷量が増えた」など明るいコメントが聞かれた。グルコサミン塩酸塩を機能性関与成分とした機能性表示食品は56品(撤回含む)が受理されている。表示内容は、「関節軟骨の正常な代謝を促すのに役立つ」「ひざ関節の違和感を緩和する」「膝関節の可動性(曲げ伸ばし)をサポートし、膝の不快感をやわらげる」など。ここ1年では『サントリーロコモア』(サントリーウエルネス)をはじめ、『ロコモダブル』(世田谷自然食品)、『グルコサミントリプルプラス』(大正製薬)などの機能性表示食品が上市されている。高齢者の関節サポート向けだけでなく、スポーツサプリメント向けの商品も増えている。甲陽ケミカルでは、エビデンスデータをもとにスポーツ分野への提案を展開。「プロテインなどと組み合わせた商品が増え、成果が出始めている」と手応えをみせる。

■原料サプライヤー、品質強化を重視 N-アセチル、100人規模のヒト試験へ

グルコサミン塩酸塩の原料価格はキロあたり中国産で1,500円半ば~2,000円前後、国内精製を加えると2,000円~2,500円前後、国産品は3,500円~4,000円前後で推移する。ハラール対応原料や、チャイナフリーをアピールポイントとするインド産原料もある。産地、原料価格、機能性表示対応に加え、各社、「GMP認証取得(原料又は自社工場)」「FSSC認証取得」「HACCP認証取得」「トレーサビリティの確立」など、品質向上・管理体制の整備に一層力を注ぐ。中原は、HACCP・ISO22000・ハラール認証を持つ中国の協力工場で抽出・精製を実施。年間供給量は300tを超える。穀物などを原材料に発酵生産した微生物キチンから製造した発酵グルコサミンは、プロテインケミカル、中原、バイオメディカルウェルネスなどが“アレルギーフリー”を差別化に展開する。グルコサミンとの組み合せ素材では、コンドロイチン、MSM、ヒアルロン酸、コラーゲンといった定番素材のほか、ボスウェリアセラータ、筋骨草、オリーブ抽出物、クルクミン、キャッツクロー、プロテオグリカン、エラスチン、SAMe、HMB ―― などの関連素材がある。ヒアルロン酸生成促進作用を有するN-アセチルグルコサミンは、焼津水産化学工業が市場を牽引。同社は「肌」「関節」カテゴリーで機能性表示食品のSRに対応する。

本記事の続きは「健康産業新聞1690号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申込みはこちら

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