健康産業オンライン

【主張】原料価格×体感×宣伝

kenkousangyou.jpg


各社手探り、新制度の手応え模索

 機能性表示食品制度が動き出し、素材メーカーにはエビデンスのある新規機能性素材などを求める難しい注文が相次いでいる。届け出状況も加速しており、SAMeなどの食薬区分原料の扱いや抗酸化表示での受理など話題にこと欠かない。一方で、届け出が受理され、商品の上市が進む中で「(当初期待したほどには)売れない」という声も少なくない。機能性表示を取得すれば売れると、或いは、取得できないと売れない、ということなどで、コストをかけ準備を進め、ようやくスタートラインに立てたが、当然であるが、そこからは次なる競争が待っている。


 その成功の方程式が、解説好きの人々から披露されているが、大方は、原料価格×体感×宣伝などとなるようだ。この方程式も解があるわけではない。売れている商品、売れてない商品を調べてみると結論として、この三要素が大きく影響しているという説明だ。
 為替や生産地コストの上昇などの影響で高価な「原料」が増えているが、機能性表示に向けた取り組みも加わり、原料価格は更に上がっていく傾向に。それでも原料メーカーでは手間がかかり、コストアップでメリットは少ないとため息も。また「体感」はこれまでも不可欠で、イメージだけでは持続しないと各メーカーともに覚悟していた。それだけに、高価な原料の場合、少ない量で有効性を得るための地道な試験を続けているケースも。そして最終的には「宣伝」のウエートが大きい。ここでは表現できる「機能性表示」の内容が、消費者ニーズを捉えているかで、宣伝効果も異なるとか。睡眠や記憶サポート、抗疲労、抗酸化などの文言が高齢者の悩みをどこまでキャッチできるか。この「原料」に人気のヒアルロン酸やグリシンやSAMeなどを入れると、回答が出てくる。かというと、複次方程式のようなもので、そう簡単ではないのだが。
 各社とも、それほどに手探りで、新しい制度の手応えを模索しているのが現状だ。届け出が300に近づいたとはいえ、半数は加工食品で、薬系ルートの参戦もこれから。まだまだ、霧の中だ。こうした状況で、届け出の迅速化に向け、ウェブ登録は 4 月 から施行の予定だ。
(4/6発行・第1593号)





毎号平均60ページの圧倒的情報量で業界を牽引する「健康産業新聞」
ウェブ上では一部の紹介のみです。紙面には業界人必見の記事が満載。
信頼のオピニオンリーダー「健康産業新聞」をご購読ください。

毎月第1週、第3週水曜日発行 
年間購読料21,600円(税込)
(1666円/月)


行政・業界ニュース

企業ニュース

特集

PAGE TOP