執筆者
フォンテラジャパン㈱ 深江 拓朗、三浦 真衣
はじめに ―原料市場環境の変化
GLP-1受容体作動薬( 以下、GLP-1薬)の普及や米国における食事ガイドラインの変化を背景に、ウェイトマネジメント※用途を中心として乳たんぱくの需要が米国で急速に拡大している。その中で前稿では、乳たんぱくが体組成改善や食欲調節において有効な素材であることを科学的エビデンスに基づいて整理した。こうした需要の拡大は市場成長を牽引する一方で、原料供給という新たな課題を顕在化させている。とりわけホエイたんぱくは需要の集中により、世界的な供給逼迫と価格高騰というこれまでにない局面に直面している。
乳の重要な栄養源としての価値は普遍である一方、現在の市場環境においてはどの乳原料をどのように使うかという視点が製品開発における競争力を大きく左右する要素となってきている。すなわち、前稿で示した乳たんぱくの価値をいかに持続的かつ安定的に提供していくかが、メーカーにとっての重要課題となっている。
※ 本稿で述べる“ウェイトマネジメント”とは、単なる減量ではなく、食事・運動・生活習慣の改善を通じて、健康的な体重と体組成(体脂肪、除脂肪体重、筋肉量など)を長期的に維持・管理することであり、より健康的な体作りを目指すものである。
■ホエイたんぱく素材の価格高騰と供給難
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