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BASF、天然バニリンなど世界の天然香料市場に参入

ドイツ・BASFは、バイオテクノロジーをベースにしたオランダ・香料原料会社Isobionics(アイソバイオニクス)社の買収に加え、バイオテクノロジー研究分野を主導する米国Conagen(コナジン)社との協力協定に調印し、世界の天然香料市場に参入する。米由来のフェルラ酸をベースにした天然バニリンの供給に乗り出すほか、柑橘類に含まれるノートカトン、バレンセンなど天然原料のポートフォリオを拡充する。シトラール、ゲラニオール、L- メントールなどを手がけるアロマケミカルズのリーディングサプライヤーとして、同社が持つ研究開発力と幅広い販売網に、IsobionicsとConagenのノウハウと専門知識を組み合わせることで、バイオ技術に基づいた香料原料のテクノロジーを発展させる。

今回買収したIsobionicsは、オランダのGeleen(へレーン)にある、バイオテクノロジーをベースにした香料原料会社。同社はノートカトンやバレンセンなどの柑橘類油成分を中心に、天然香料・香粧品のグローバル市場向けに幅広い天然成分を開発・生産している。Isobionicsの全従業員がBASFのアロマ原料事業の所属となる。

一方、Conagenは独自の菌株開発から発酵、商業ベースの生産プロセス開発に至るまで、発酵原料の優れた研究開発力、商品化力を有する米国・マサチューセッツ州ボストンに本拠を置くバイオテクノロジー企業。BASFはこの提携により、市場で最も需要の高い芳香成分のひとつである天然バニリンを市場に供給することが可能となる。米由来のフェルラ酸をベースにした「天然バニリンF」は、そのクリーンなバニリン特性を有し、「オールナチュラル」表示において、チョコレート、イチゴ、キャラメルなどあらゆるフレーバー用途に提案していく。

またBASFのニュートリション & ヘルス事業本部では近年、酵素の研究と生産に特化したグローバル・ビジネス・ユニットを設立しており、食品、飼料、技術産業における天然加工助剤をはじめ、幅広いアプリケーションの原料として展開している。

【2019年11月号・特集】新規食品資源開発とその利用

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