今年4月、EUの食品安全機関であるEFSAは、デンマークの植物性タンパク質原料メーカーFERM FOODの発酵させた菜種油かすを、新規食品原料として承認した。
菜種油かすはタンパク質が豊富(28~30%)だが、苦味のあるグルコシノレートが含まれているため、食用には不向きだと考えられ、動物飼料やバイオガスとして使用されてきた。そこで同社の乳酸菌を使った固体発酵プロセスでは、苦味などの不要な物質を分解し、多くの食品に応用できる素材を作り出した。
また、発酵させた菜種油かすは機能性だけでなく、保存料の代替としての使用も期待されている。すでにこの原料をパンに使用しているメーカーによると、発酵させた菜種油かすを加えることでアミノ酸組成が改善され、合成添加物なしでも保存期間を延ばすことができるという。
ヨーロッパは世界有数の菜種の生産地であるため、今回のEUの承認が、菜種の生産や植物性たんぱく質市場の拡大を後押しすることが期待される。
[2025.5.23] [https://www.ingredientsnetwork.com/]