執筆者
フリースランドカンピーナ イングレディエンツ 中村 昌人
近年、プロテイン市場では筋肉形成や運動パフォーマンス向上に加え、健康維持やウェルビーイングを意識した付加価値の提案が求められている。特に高齢化が進む日本市場においては、単なるタンパク質補給にとどまらず、健康寿命の延伸やアクティブな生活の維持につながる新たな価値が期待されている。
その中で注目されているのが、腸内環境と筋肉機能の関連性を示す「腸筋相関(Gut-Muscle Axis)」という考え方である。腸内細菌叢は、栄養素の吸収や免疫機能の調節に関与するだけでなく、炎症応答やエネルギー代謝などを介して全身の健康維持に関わることが知られている。近年では、こうした腸内環境が筋機能や身体機能にも影響を与える可能性が示され、腸と筋肉の双方向的な関係に関する研究が進められている。
この考え方は当初、スポーツニュートリション分野を中心に注目を集めた。実際に、アスリートや運動習慣を持つ人では、激しい運動による身体的ストレスが腸管バリア機能の低下や消化器症状を引き起こし、栄養素吸収効率やコンディショニングに影響を及ぼすことが報告されている。一方で近年は、加齢に伴う筋肉量や身体機能の低下への対策としても腸内環境への関心が高まっており、腸筋相関はスポーツ分野にとどまらず、アクティブシニアやウェルネス市場においても重要なテーマになりつつある。
こうした背景のもと、フリースランドカンピーナ イングレディエンツが開発した発酵プロテイン「Nutri Whey™Fermentis(ファーメンティス)」は、タンパク質補給に腸内環境へのアプローチを加えた「プロテイン+(プラス)」コンセプトの新素材として提案されている。同素材は、高品質なホエイプロテインに加え、プレバイオティクスであるガラクトオリゴ糖(GOS)、さらにプロバイオティクスとして広く研究されている Lactobacillus rhamnosus GG(LGG)を組み合わせ、発酵プロセスによって機能性を高めていることが特徴である。
発酵は、有用微生物がタンパク質などの栄養成分を代謝し、新たな価値を生み出す自然なプロセスである。
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