執筆者
順天堂大学大学院医学研究科・食と生殖機能先端研究講座 清水 孝彦
はじめに
これまでの老化研究(アンチエイジング研究)の歴史を概説する。
1930年代にカロリー制限によるラット個体の寿命延長効果が発見され、基礎老化研究の幕が上がった。その後、様々な老化学説が提唱され、老化機構の複雑さが考察された(老化学説の提唱期)。1988年にモデル生物の線虫で、インスリン/IGF1シグナル経路に関わるAGE-1 遺伝子の変異で寿命延長が発見された。それを契機に、1遺伝子が寿命をコントロールできる寿命制御遺伝子の概念が登場した。
その後、Sir2(サーチュイン)やmTOR経路関連遺伝子などが寿命制御遺伝子として次々同定された(老化プロセスの同定期)。またそれらの鍵分子に対する制御物質による寿命制御の追認も進んだ。並行して細胞老化研究の進展により、老化細胞制御法(セノリティクスやSASP阻害)もモデルレベルで確立した。現在では、ヒト臨床試験も進められ、基礎老化研究での発見がヒトでの老化制御を具現化しつつある(ジェロサイエンス研究期)。
Hallmarks of aging( 老化特性)の提唱
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