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分析技術の進歩で可能になる機能性成分など微量分析技術を発表

日本ウォーターズでは先頃都内と大阪で機能性を持つ微量成分の分析技術に関する「機能性食品セミナー」を開催した。

初めに登壇した一般財団法人生産開発科学研究所の眞岡孝至氏はカロテノイド研究の第一人者で、分離、分析技術の進歩によってわかってきた天然カロテノイドの構造、分布、代謝について解説。カロテノイドは光合成生物が酢酸、メバロン酸から生産する物質で、食物連鎖により藻類や植物から動物に代謝変換を経ながら移行。それぞれの生理活性に重要な役割を果たしている。

現在解明されている800種あまりのカロテノイドのうち、同氏も100種あまりのカロテノイドの構造決定に関わっているという。現在でも様々なサンプルを分析しどのようなカロテノイドがどこに蓄積するかを研究しているが、UPLC/MS/MS やQ-TOF/MSにより極微量な生体サンプル中の分析も容易になり、カロテノイドの研究の進歩に貢献していることを発表した。

次に登壇した日清製粉グループ本社QEセンターの関友輔氏はLC-TOF/MSを用いた天然色素の分析事例としてナスの色素であるナスニンの同定について発表した。天然物の色素には標準品がなく分析法は確立されていないものが多く、せいぜいHPLCで吸光度情報を得て推測するしかなかった。四重極LCMSMSを用いても未知の成分の同定は難しい。そこで高感度・高速で広範囲の質量データを網羅できるLC-TOF/MSを活用し不安定で壊れやすいナスニンの同定にチャレンジ。抽出溶液なども検討しながら同定に成功した。ナスニンの同定に同氏が取り組んだ背景には食材の変色に関するご指摘があり、ナスからの色移りと想定されたが、これまでは分析法がないので明確な答えが出せなかったのを、分析法を確立することでエビデンスベースで食材からの安全な色移りであることが証明できたという。

その他エスビー食品の佐川岳人氏はトリプル四重極質量分析計を用いた本わさび揮発成分の検出事例などを発表した。

腸内細菌学会学術集会(6月)事前登録を開始

IMCDジャパン・機能性素材分野に本格参入

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