健康志向やサステナビリティへの関心の高まりを背景に、オーガニック市場とナチュラル素材市場の存在感が高まっている。有機農産物に加え、植物由来原料や発酵素材なども幅広い分野で採用が進み、原料の産地や栽培方法、さらには製造プロセスまで重視する動きが強まる中、国産有機原料、天然由来ビタミン・ミネラル、発酵由来タンパクなど差別化素材への期待が高まっている。本特集では、両市場の最新動向と注目素材を追った。
有機×プラントベースが拓く新たな成長機会
国内オーガニック市場を取り巻く環境は変化しており、構造そのものが大きな転換点を迎えている。従来のオーガニック市場は、「安心・安全」「健康志向」を主な価値として成長してきた。一方で近年
は、気候変動対策や生物多様性保全、食料安全保障といった社会課題への関心の高まりを背景に、有機農業を取り巻く位置付けが変化している。
国もこうした流れを後押ししている。農林水産省は「みどりの食料システム戦略」において、2050年までに有機農業面積を耕地面積の25%に相当する約100万haへ拡大する目標を掲げている。オーガニックはもはや一部の健康志向層向け市場ではなく、持続可能な食料システム構築のための重要な政策テーマとなった。
その中で注目を集めているのが、「オーガニック×プラントベース」という新たな市場領域だ。プラントベース食品市場は、代替肉やプロテイン、植物性ミルクなど多様なカテゴリーが登場し、一般消費者
への認知も大きく向上している。一方で、市場が成熟するにつれて課題も見え始めた。単に「植物由来」であるだけでは差別化が難しくなり、商品価値の再構築が求められているのである。









