食品素材の記事

ハイブリッドにより卵の美味しさと物性を再現する「さながらエッグ」 

SprouTx(スプラウテックス)は、独自の発芽技術を応用した新領域のプラントベースフードを製造している。独自技術となる落合式発芽法(O-SM)を用いた発芽大豆を原料に植物性繊維化たん白素材(肉代替・魚代替素材)を開発し、販売している。さらに、同発芽技術を用いた大豆由来の卵代替素材「さながらエッグ」、乳代替素材「さながらミルク」の開発にも成功し、ハイブリッド用法による美味しい食品開発の提案を開始した。 

■「さながらエッグ」と卵のハイブリッドで美味しさ訴求 

「さながらエッグ」は、独自の発芽法で発芽させた大豆を原料とした濃縮発芽豆乳。大豆のタンパク分子は、発芽工程で分解されて卵のアルブミンのような小さい分子に変化する。その変化により、熱凝固性、ゲル化性、起泡性、乳化性など卵に近い物性を示すようになり、遊離アミノ酸が増加して美味しさも高まる。 

液卵とさながらエッグを混ぜて使うことで、風味を変えずに卵の美味しさをそのまま味わえる製品を作ることができる。配合比率は自由に設計でき、用途や目的に応じて全体の3割〜5割程度を置き換える。カスタードクリーム、卵フィリング、錦糸卵、焼き菓子、スポンジケーキなど応用範囲は広い。原料となる大豆は、高オレイン酸タイプの品種であるため、酸化しにくく一般的な大豆の青臭さが抑えられている。 

また、製造現場においても、卵のみの場合と同じ調理法で製造でき、製造機械も既存の機械がそのまま使えるため、余分なコストをかけなくて済む。 

同品を応用した製品の本格的な販売は、昨年の大阪・関西万博の会場。たまごサンドとカスタードシュークリームが販売され、来場者から好評を得た。既に一般市場にも応用商品が上市されている。 

卵の高騰や供給不安が問題視される昨今、さながらエッグを使うことで、コスト削減や安定供給面をカバーすることができる。液卵に混ぜるだけというハンドリング性の良さもポイント。さらに、コレステロール低減、食物繊維付与、温室効果ガス削減などのメリットも見込める。 

同社の代表取締役社長 落合孝次氏は、「フェイク卵を作るのではなく、サイエンスの視点で分子のサイズから考えた。卵の持つ熱凝固性や起泡性などの物性面や風味の点を考えて、ハイブリッドでの応用を目指した。“食べて美味しく”を最も重視して開発した」と語る。 

■「さながらミルク」+乳で、美味しいチーズ・ヨーグルト製品を 

さながらエッグと同様に、大豆の発芽時に分子サイズをコントロールすることで、乳代替の「さながらミルク」も開発された。タンパクの分子量を卵の場合よりさらに小さく、乳カゼインの分子量に近づけた。 

さながらミルクと牛乳を配合したハイブリッドによるヨーグルト・チーズタイプの製品設計を提案している。ヨーグルトでは、タンパクの分子量が小さくなっているので乳酸菌の発酵も進みやすく、さながらミルクと牛乳を1:1で配合することで、美味しいヨーグルト製品ができる。 

同社ではアプリケーション開発を進めており、今後、さらに応用や提案範囲を広げていく方針。 

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