執筆者
藤井 匡1、2) 高橋 秀明1、2) 廣岡 芳樹1、2) 郡上 彰3) 近藤 修啓3) 唐澤 幸司4)神野 裕哉5)
栃尾 巧1、2)
1)藤田医科大学 医科プレ・プロバイオティクス共同研究講座、2)㈱バイオシスラボ、3)ウェルネオシュガー㈱ ネオ機能性素材部、4)伊那食品工業㈱、5)㈱ナンブ なんぶの郷
腸内細菌叢と健康との関わりが明らかになるにつれ、プレバイオティクスの活用領域は着実に広がっている。本稿では、有用菌を「育てる」1-ケストースと、好ましくない菌を「抑える」寒天オリゴ糖という、作用機序の異なる二つのプレバイオティクスを組み合わせ、研究例の乏しい平均年齢92歳の介護施設入居者を対象に、その腸内環境への影響を検討した無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告する。
1.はじめに―広がるプレバイオティクスの活用
プレバイオティクスは、宿主微生物によって選択的に利用され、健康上の利益をもたらす基質と定義される。近年、腸内細菌叢が免疫、代謝、脳腸相関、加齢やフレイルなど全身の健康と深く関わることが次々と明らかになり、腸内環境を整えることの意義がかつてなく注目されている。
こうした背景のもと、プレバイオティクスの用途は従来の整腸目的にとどまらず、機能性表示食品、高齢者向け食品、さらには医療・介護分野の栄養サポートへと着実に拡大している。素材もオリゴ糖類や食物繊維、難消化性デキストリンなど多様化し、素材ごとに標的とする菌や作用機序が異なることが分かってきた。本稿では、目的に応じて素材を選択し、さらに組み合わせて腸内環境を「設計」するという発想が現実味を帯びつつある。
2.特性の異なる二つのプレバイオティクス
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