執筆者
山口 響生1、2)、高橋 秀明1、3、4)、藤井 匡1、3、4)、廣澤 直也5)、栃尾 巧1、3、4)
1)㈱バイオシスラボ、2)中部大学大学院 応用生物学研究科、3)藤田医科大学 消化器内科、4)藤田医科大学 消化器内科 医科プレ・プロバイオティクス講座、5)株式会社SUNAO製薬
1.はじめに:SUNAO製薬が見てきた「子どもの栄養」とその次の論点
近年、共働き世帯の増加などライフスタイルの変化に伴い、離乳食づくりに十分な時間を割けない家庭が増加している。一方、市販の調理済み食品に頼ることに葛藤や罪悪感を抱く保護者は依然として多い。株式会社SUNAO製薬(以下、SUNAO製薬)は、こうした「忙しい保護者の負担や罪悪感を解消したい」という思いから、小児向け食品ブランドbebecoを展開してきた。同ブランドは、鶏レバーや青魚、納豆といった、栄養価は高いが下ごしらえに手間がかかる素材を粉末化している点に特徴がある。いつもの食事に「混ぜるだけ」で手軽に栄養をプラスできる仕様であり、成長期の子どもに必要な栄養素の配合と、日常的な利便性を両立した設計となっている。
子どもの健全な発育を支えるうえで、食事の第一の目的は必要な栄養を不足なく供給することにある。小児向け食品はこれまで長く、「不足しやすい栄養素を、いかに日々の食事へ取り入れやすく、かつ消化・吸収されやすい形態で提供するか」という課題に向き合ってきた。しかし、現代の小児向け食品は、栄養補給だけでは十分に解決しきれない課題にも直面している。偏食、少食、食べムラ、食事内容の単調化といった「食行動の課題」や、それに起因する野菜不足は、便通の乱れや腹部の不快感など、子どもの消化管機能に複合的な影響を及ぼしている。これらの課題を解決する糸口として重要となるのが、近年注目を集める大腸を中心とした「腸内環境」へのアプローチである。
SUNAO製薬は、従来の「栄養を満たす」設計に、「腸内環境を育てる」設計を取り入れることで、子どもの食事をより立体的に捉えようとしている。本稿では、腸内環境を育てる重要性を科学的背景とともに概説する。そのうえで、子どもの食事について「小腸利用性」と「大腸利用性」という視点から整理する。
2.小腸で栄養を満たす:小児向け食品設計の不変の第一原則
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続きは『食品と開発』2026年10月号にてご購読いただけます。














