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フェカリス菌素材「FK-23」および「LFK」の慢性腎臓病進行抑制効果について特許を取得

大阪公立大学、京都府立大学、ニチニチ製薬では共同研究の成果として、乳酸菌素材「FK-23」および「LFK」の慢性腎臓病進行抑制効果についての特許を10月5日に取得したことを発表した。

FK-23およびLFKは、エンテロコッカス・フェカリス菌に加熱処理や酵素処理を施し、機能性を高めたニチニチ製薬独自の乳酸菌素材。このたび、京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 南山幸子教授、大阪公立大学大学院 医学研究科 竹村茂一特任准教授、ニチニチ製薬の共同研究で、FK-23あるいはLFKを経口摂取することにより慢性腎臓病の進行が抑制されることを確認し、共有の特許取得に至った。

研究では、慢性腎臓病モデルラットを、通常食、FK-23食、LFK食を投与する3群に分け、発症の2週間前からそれぞれの餌を自由に摂取させ、発症の8週間後、腎臓を摘出し、形態学的および生化学的に解析した。その結果、FK-23投与群、LFK投与群はいずれも通常食群に比べ腎臓組織の線維化が顕著に少ないことが判明した。さらに、線維化の原因になる線維芽細胞(α-SMA陽性細胞)の出現も顕著に抑えられており、線維化の指標となる複数のたんぱく質も有意に抑制されていた。また、一般的な腎機能の指標である血中BUNやクレアチニンも、FK-23 投与群、LFK投与群において有意にそれらの上昇が改善されていた。

慢性腎臓病は成人の8人に1人が罹患している“新たな国民病”であり、患者数は1,330万人にものぼることから、今後の応用にも期待がかかる。

【特許概要】
特許番号:7153274
発明の名称:慢性腎臓病進行抑制剤
特許権者:京都府公立大学法人、公立大学法人大阪、ニチニチ製薬株式会社

なお同社は東京大学との共同研究により、「LFK」のがん転移抑制効果を証明し、東京大学との共同出願により10月4日に特許を取得している(特許第7152733号)。

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