『食品と開発』誌面から

食物アレルゲン低減を目指した技術-アレルギー症状を引き起こさないための選択肢-【食品と開発 5月号特集】🔒

執筆者

食品と開発のアバター

農研機構 食品研究部門 食品安全・信頼グループ 上級研究員 佐藤 里絵


はじめに

食物アレルギーは、食物を摂食したり吸入したりした際、あるいは食物に接触した際に、免疫的機序を介してアレルギー症状を引き起こす疾患である。食物アレルギーの有症率は、日本では1-2%、フランスでは3-5%、アメリカでは3.5-4%である。その症状は、かゆみ、蕁麻疹、鼻水、くしゃみ、口腔内の違和感、咳、吐き気、腹痛や頭痛など、症状の種類も起きる臓器も重篤度もさまざまである。また、複数の臓器において急速に強い症状が現れる状態であるアナフィラキシーや、血圧低下や意識低下を伴うアナフィラキシーショックが引き起こされることもある。

日本では、食物アレルギーの症例数や症状の重篤度から、特に表示の必要性が高い食品として特定原材料8品目を、特定原材料に準ずるものとして20品目を定めている。食物アレルギーの症状を引き起こさないようにするために、患者は、原因食物を摂食等しないようにする必要がある。

一方で、食物アレルギーの原因食物以外の食物も食べないようにするなどして、過剰に食物を避けてしまうと、成長不良や欠乏症など、他の悪影響を及ぼすことがある。したがって、患者は「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」を行う必要がある。すなわち、患者は正確な診断によって自身の症状の原因食物を特定することが望ましい。

🔒この記事は雑誌に収録されています。

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【2025年5月号】特集/アレルギーコントロールと検査技術

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