厚生労働省は11月8日、「第5回食品衛生改正懇談会」を開催し、食品衛生法改正に関する最終的な提言をとりまとめた。フードチェーン全体を通じた食中毒対策の強化や全ての食品等事業者を対象とするHACCPの制度化、食品用器具及び容器包装のポジティブリスト制度の導入、リスクの高い成分を含む「健康食品」等による健康被害防止対策、営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設、などを盛り込んだ内容となっている。今後、薬食審食品衛生分科会等を通じて精査、議論し、必要に応じて法改正や制度改正などを検討していく見通し。HACCPの制度化や容器包装等のポジティブリスト化に関しては、先の検討会で結論がでており、来年の通常国会で提出されるとみられる。
食中毒対策は、調理段階での対策だけでなく、と畜場や食鳥処理場など食肉処理段階での対策の強化について言及。ノロウイルスやカンピロバクターに対する定量的なリスク評価の重要性、さらに広域的な食中毒事案への対応策として、厚労省と都道府県の間で食中毒発生状況を情報共有する体制を整備する旨も盛り込まれた。
一方、リスクの高い成分を含む「健康食品」を対象に、製造工程の管理や原材料の安全性の確保のための法的措置を講じ、実効性のある仕組みを構築する、とした。具体的にはGMPに基づく製造工程管理による安全性の確保等を義務化すること、「健康食品製造業」を営業届出の対象とし、事業者から行政への報告の制度化を含む健康被害の情報収集・処理体制を整備すること等などを検討していく計画。現時点では健康食品販売業者は届出の対象としない。長期的な課題として、EU等のNovel Food規制を踏まえ、経験のない食品や摂取方法(濃縮等)について、上市前にリスク評価を行う仕組みを検討する、としている。
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