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特集【注目の海藻由来素材】―藻類研究が活発化、フコイダン市場150億円超に

海藻類(コンブ・モズク・ワカメなど)、微細藻類(ユーグレナ、黄金藻など)を由来とする機能性素材の開発が活発だ。海藻類では、国内外で需要高まるフコイダンを筆頭に、アカモクの市場形成も進む。微細藻類では、ユーグレナが100億円市場を堅持する一方で、黄金藻、ドナリエラが機能性表示食品として受理。宮城県と沖縄県では、ンノクロロプシスの培養研究が進展しており、市場投入が本格化しそうだ。魚油の代替原料として藻類が評価され、「藻類由来DHA」も続々登場している。本特集では、(本紙で別途特集を掲載しているクロレラ、アスタキサンチンを除く)微細藻類・海藻由来の機能性素材を紹介する。

日本発の機能性素材・フコイダン、輸出好調アカモク、ミリンなど新素材も台頭海藻由来素材の代表格であるフコイダン。市場にはドリンク・顆粒・錠剤・エキスなどのサプリメントから乳製品まで、多種多様な配合商品が流通、国内市場規模は150億円を突破している。「育毛」「免疫」「美容」分野での成長が著しい。「育毛」分野では、フコイダンを含有するカイゲンファーマの特許素材「ガ二アシ」の採用が相次ぐ。アートネイチャーとのコラボ商品発表を機に、「海藻=育毛のイメージ」「エビデンス」「特許」が評価され、ヘアケア素材としての評価が上昇。全国の美容室を販売チャネルに展開するセブンツーセブンがサプリメントを開発するなど、大手・有名ブランドホルダーが相次いで参入している。「免疫」分野では、オキナワモズク由来フコイダンのパイオニアである金秀バイオが「免疫賦活作用」をはじめ、「脊髄症への有効性」「C型肝炎ウイルスへの有効性」などの画期的なオリジナルデータを発表。口腔内免疫について論文化を進め、用途特許を出願中だ。国内はもとより、“日本発の機能性素材”として、海外市場の開拓を急ピッチで進めている。オキナワモズク由来フコイダンの原料・OEM供給を展開するホクガンでも、ベトナム・台湾への供給量が増加、「事業規模は前年比二ケタ増で推移している」という。「美容」分野では、コーセーなどの有力化粧品ブランドが美容商品を投入、アンチエイジング素材としての評価も高まっているようだ。フコイダンの原料サプライヤーでは、需要増に迅速に対応すべく、生産設備の増強を急ぐ。新規参入サプライヤーも登場しており、北海道大学発のベンチャー企業・北海道マリンイノベーションでは、「北海道海洋栽培ガゴメ」を開発、量産体制の構築を経て、原料・OEM供給を本格化していく。海藻分野では、フコイダン以外にも、藻類由来カロテノイド「フコキサンチン」、新規ダイエット素材として注目高まる「アカモク」、紅藻「ミリン」など、機能性素材が続々上市されている。「アカモク」では、トーア紡コーポレーションが瀬戸内産「アカモク」の供給をスタートしている。

本記事は「健康産業新聞 1665号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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