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特集【プラセンタ】化粧品用途で利用拡大

美容素材の代表格として数多くの健康食品、化粧品に配合されているプラセンタ。原料は、ブタ、ウマの胎盤、サケ卵巣膜、植物胎座を由来とし、品質、安全性に優れた国産品とコスト面で勝る海外品が流通している。プラセンタをメインとしたサプリは減少しているものの、他素材と組み合わせた複合品の上市が進んでおり、更年期や疲労回復などを切り口とした商品提案が進んでいる。健食受託企業へのアンケート調査でも人気受注素材の上位に名前があがるなど、根強い人気を獲得している。また化粧品分野では、原液化粧品をはじめ、美容液、化粧水、保湿クリームなど様々な用途で活用が進み、海外展開を視野にエビデンスの拡充に注力するメーカーも見られる。

■サプリ市場規模は微減、コスメは海外向けに伸長

プラセンタは、体感性の良さ、認知度の高さから美容サプリメントや化粧品の定番素材として利用される素材だ。2015年頃をピークに、現在その人気の過熱ぶりは一段落したものの、大手ブランドメーカーの定番商品として継続してラインナップされ、安定した市場を形成している。

プラセンタサプリの市場規模は、末端ベースで230億円と推計され、昨年より若干の減少傾向にあるが、本紙が今年6 月に実施した健食受託企業へのアンケート調査では、乳酸菌、プロテイン、コラーゲンに続く人気受注素材として名前が挙がり、定番素材として根強い人気が伺える。

また化粧品分野では、原液化粧品への配合が好調なほか、美容液、化粧水、保湿クリーム、石けん、シャンプーなどに活用が進んでおり、中国や東南アジア諸国などからの引合いも増えている。

■中間価格帯のサプリメントは苦戦傾向

DgSや通販ルートでは、『matsukiyo LABナノプラセンタゼリー』(マツモトキヨシ)や『DHCプラセンタゼリーEX』(DHC)など1,000円前後の大手PB品の動きが良い反面、2 ~ 3,000円代の商品では、棚落ちも多い。クリニック・サロンルートでは、『プラセン人参』(クラシエ)や『プラセンタカプセルMD+』(UTP)などが堅調に推移。

「クリニック、エステからの新規受注が増えた」(原料メーカー)、「サプリ、コスメ共に医療機関向けの受注は多い」(健食受託メーカー)という声もあり、同ルートの好調さが伺える。またプラセンタをメインとしたサプリは減少傾向にあり、コラーゲン、高麗人参、エラスチンなどとの複合品の比重が増している。

他素材との相乗効果や、従来からエビデンスの豊富な「更年期症状改善」や「疲労回復」などを訴求した商品提案が進んでいる。銀座ステファニー化粧品は、2019年、サプリ関連の売上が21億円、『プラセンタ100』の出荷数が26万箱前後と予測。昨年、一昨年と横ばいで推移している。

同社では、サプリへのプラセンタ配合量を増やし、2~ 3 万円を超えるようなセレブ向け商品をメインに、QVC、直販チャネルで展開。同社新事業開発部門の布施卓人氏は、「市場全体として高価格帯、低価格帯に特化した商品の動きが良く、中間価格帯品は苦戦しているように感じている。

サプリ分野のリピート率は安定しているものの新規の開拓は難しく、今後は、海外展開も含めコスメ分野が伸びると考えている」と述べた。協和は今年9 月、『プラセンタつぶ』『―ブライト』の売上累計が1,411万袋を突破。11月25日より大豆イソフラボン、高麗人参エキスを配合した『和漢プラセンタイソフラボン』を上市する。

サプリ全体の売上は、昨年からほぼ横ばいだが、商品幅を広げることで新規需要の獲得を目指す。スキンケア関連では、『プラセンタエキス原液』、『サイタイエキス原液』など原液化粧品が堅調。肌保湿、抗シワに関するエビデンスを拡充し、来年はアジア圏など海外展開も視野に入れている。

 

本記事の続きは「健康産業新聞 1680号」に掲載。「健康産業新聞」(月2回発行/1号あたりの平均紙面数は約50頁)定期購読のお申し込みはこちら

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